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(2024.12.25)(book)レオナ・ロイヤル・ロード

『レオナ・ロイヤル・ロード』/杉谷 庄吾


とにかく、このレオナ様の立ち姿が最高!特に盾の角度。

『レオナ・ロイヤル・ロード』/杉谷 庄吾


それはさておき。友人数人のオススメ作品だったので早速読みました。

ゲームクリエーターのお話。ポンポさんメソッドの集大成という印象を受けました。狂気を孕んだゲームクリエーターの卵が、パトロン?師?に出会い努力の果てに作品を作り上げるシンデレラストーリーに、一緒にゲームを作る仲間を探して一緒に作り上げる喜びを分かり合うクエスト要素。

そして何より、未だ目覚めぬ雛のごとく荒んでいるヒロインのもとに、未来に創るゲームの主人公が現れて導いてくれる激熱展開。これ系の話って深く考え出すと卵が先か鶏が先か問題で頭がこんがらがるのですが、深く考えずにそういうストーリーだとして見ると本当に大好き。最後に種明かしをしてスパッと終わる展開が小気味良いです。

ポンポさんの根底にある創作者の物語を、人物を少しマイルドにして物語の構成を練って伏線も張ってあって、しかも1巻で完結してるっていうポンポさんエッセンスが凝縮された珠玉の一冊で非常に完成度が高いと感じました。

しかし、どれだけ作品の表面が変わったとしても、根底にある創作に対する狂気のようなものは少したりとも薄れていません。分からないまま印象で語りますが、創作は創ろうという意欲が全てみたいなところがあると思っていて、常に創作を続けられる事が一番の才能であり狂気だと思っています。今までにインプットした経験を燃料として焼灼しながら、無から有を創るという行為を続けられる。それを狂気を言わずして何と表現すればいいのか。

この作品では、途中ヒロインがとあるきっかけでクリエーターとして覚醒するシーンがあるんですが、ここが本当に熱い。

『レオナ・ロイヤル・ロード』/杉谷 庄吾

多分、ここの前のキマった顔のコマが印象的な部分だと思うんですが、個人的にはこの台詞が大好きです。泣きました。友との誓いを胸に新たな白地図に、友が最高に輝ける物語をかいてやろうという、絶対にかき上げるんだ、という決意が伝わってきて。

余談ですが、ポンポさんを読んでいると、最後のあの見開きにカラーを期待してしまって、白黒だった時に何とも言えない寂しさがありました。

と言うか、王位継承権99位から王座に就いたプリンセスの物語……読んでみたい。




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