Marumaru's TinyPlaza
(2024.12.29)(book)星くずの殺人
『星くずの殺人』/桃ノ雑派
ネットの書評で気になった本。ぶっちゃけ表紙に惹かれた。
格安宇宙旅行が実現した世界で、宇宙空間にある『星くず』というホテルで発生する殺人事件がテーマのミステリです。ミステリなんですがSF要素が強いです。
まだ民間の宇宙旅行は実現していないので近未来と書きましたが、設定的には現代です。無重力空間での殺人事件のトリックを始め、宇宙空間にあるホテルでの過ごし方や非常事態発生時の対処法、それを未然に防ぐ為の備え等、非常に設定が練られていると感じました。
伏線の回収等綺麗なのは良いんですが、最後の盛り上がりと言うかカタルシスに欠けるような気がします。宇宙空間なので何かやっちゃうと全滅なのは分かるんですが、ちょっと物足りないな、と。それと人物の掘り下げも少し足りないような感じでした。宇宙旅行に行ってホテルで出会ってからの自己紹介だとどうしても難しいんでしょうか。
しかし、主人公は殺人犯が居るのが分かっているような状況で、よく1時間もあんな行動をとれたものだと。
SFと言うか、メカやロボット系の作品が好きな人は見知った単語や設定が色々出てきて面白く読めるかも。私もその一人でした。