Marumaru's TinyPlaza
(2025.06.30)(book)本と鍵の季節
『本と鍵の季節』/米澤穂信
『氷菓』でおなじみの<古典部>シリーズの作者。最近だと直木賞の『黒牢城』が有名。
ひょんな事から見かけたこの本の広告で、表紙の硝子のような透明な雰囲気とあらすじに惹かれて。
日常に潜むミステリーを描いた短編集で、図書委員の二人が探偵役になって謎を解決……と言うか謎を語り明かします。
ちょっと突拍子もない謎をヤレヤレ系の二人が話ながら進んでいく物語に、何よりも高校生、ひいては学生時代って良いなぁ、と思いながら今ではもう記憶と地続きではなく、記憶から断絶されたファンタジーとしてしか楽しめなくなってしまった学生時代に思いを馳せていました。
そんな日常系ミステリーかと思っていたのですが、最終話とその前の盛り上がりが凄かった。ふと芽生えた違和感をきっかけに話が思いがけないシリアスな方向に膨らんでいきます。面白いのは、日常モノだと思っていたそれまでのエピソードが最後の話の為の布石だったこと。何気なく読んでいた日常パートが後で重要な意味を持っていたという展開は好きです。
この巻で一旦の区切りは付いていますが、続きを匂わせる終わり方なので、シリーズ続編でどう展開していくのか楽しみです。
