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(2024.01.11)(movie)ゴジラ-1.0

『ゴジラ-1.0』


※ネタバレを気にせず書くのでご注意下さい。





















ゴジラって、実はちゃんと観たのは『シン・ゴジラ』からなんです。で、その後に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を観たぐらい。

って事で、『ゴジラ-1.0』を観てきたので感想を箇条書き気味に。

結論を最初に書くと、2時間の上映時間中一度も時間を気にせずに楽しめたから面白かったと思うんだけど、このテーマを描くならゴジラじゃなくても良いよね?と。

全体的に所謂「熱い展開」が多いですよね。コンプラを無視して書くなら男のロマン的展開。局地戦闘機『震電』開発が噂されていたが実戦配備された試作機があるなんて!みんな大好き試作機。更にそれを燃料を削って特攻仕様に回収するとか。ピンチの時に重巡『高雄』が駆けつけるとか、同じくピンチに味方の艦隊が駆けつけるとか。

なんですが、「こんなのを入れとけば喜ぶんでしょ?」みたいな詰め合わせ感を覚えて、なんか少し萎えた。特に「やったか!?」からの生存フラグ3連発はギャグかと思った。

余談だけど、高雄って聞くと艦これを連想しちゃって、薄い本で活躍してる高雄さんが浮かんで感動が台無し。

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艦隊これくしょん -艦これ- 攻略 Wiki* https://wikiwiki.jp/kancolle/%E9%AB%98%E9%9B%84

伏線の張り方やどんでん返しを期待するような話ではないのは分かっているんだけど、震電改修時の安全装置の会話で脱出機構が組み込まれてるのはバレバレだし、敷島をかばって吹き飛ばされたノリコも死亡シーンが描かれてなかったから多分生きているんだろうな、と思ったらこれ見よがしな電報が来てて。そもそも、最終決戦前に「誰も死なない事を誇りとする」ってセリフで、あぁ最後は全員生存ENDなんだなって。色々と分かりやすく結末が示唆してあって興ざめな感じ。

とは言っても、幼子を連れた男女が戦後の混迷期を必死に生きながらも小さな幸せを感じるような展開や、後半のシーンでは気づかずにボロボロ泣いちゃってました。劇場で映画見ると大抵泣いてる気がする。おっさんになると涙腺が弱くなって敵わんね。と言うか、子供と死を使って泣かせに来るのは本当に反則だと思う。

マイナス面ばかり書きましたが、劇場の大音響でゴジラのテーマとゴジラの咆哮を聞けただけで観に行った価値はあるような気がする。

後、ゴジラが熱線を放つ時の背びれが隆起して発光するギミック、ちょっと安っぽい気もするけどなんだかんだで格好良い。こういう分かりやすいので良いんだよ、と。ただ、後半は熱線を出せる状態になっていたのに物語の都合で発射を阻害されててちょっと残念。ストーリー進行に忖度するゴジラさん。

戦後と現代っていう時代設定の差があるから仕方ないけど、ゴジラ討伐作戦は今回のワダツミ作戦よりシンのヤリオリ作戦の方が格好良かったなぁ、純粋に使われてる兵器とかの差もあるんだけど、ワダツミ作戦はちょっとご都合過ぎで進み過ぎてる気がした。

最後に討伐したゴジラの復活フラグを残して終わるのってゴジラ映画の様式美だったりするのかしら。

他の作品を引き合いに出すのはアレだけど、俺の戦争はまだ終わっていない/あなたの戦争は終わりましたか?な展開はガンダムUC4話を思い出して仕方がない。そして描き方としてはガンダムUCの方が上手かった。

エンドロールにmusiccopyist藤川千愛ってあって、藤川千愛!?と驚いたんだけど、おかげでmusiccopyistという役割を知った。

海を渡る(泳ぐ)ゴジラがいっぱい観られたのが新鮮だった。

面白くて、劇場で観たから特撮映画として迫力もあったんだけど、全体的にお涙頂戴な映画で軸がイマイチ見えなかったかもしれない。いや、お涙頂戴のヒューマンストーリーならそれで良いんだけど、なんかとっ散らかってる感じ?このシーンがあるから他の細かい事はどうでもいい。この映画はこれを観る為にある!って言える部分が無かったと言うか。

2024.01.11 追記

なんか既視感があると思ったら「俺の戦争はまだ終わっていない」ってランボーやコマンドーでも言ってたね。戦後の世界を扱う上で普遍的なテーマだとは思うので、あまり他の作品を引き合いに出して比較すべきではないと思う。

ネットで見かけた感想で、「艦娘」という存在を知っているかどうかで物語の解像度が違う、というのは本当にその通りだと思った。




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