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(2024.04.17)(movie)名探偵コナン 100万ドルの五稜星

『劇場版 名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』


コナンの映画、2個に1個ぐらいは見てる気がする。今回のは記録的な作品になるみたいな評判がSNSで流れてきて、一部界隈が非常に色めき立った感想を書いていたので、それならばネタバレ食らう前に観とくかー、と。

余談ですが、サービスデー(1,300円)で映画を観だすともう正規料金(2,000円)では観られなくなってしまう……。サービスデーだとポップコーンセット入れて正規料金と一緒ぐらいだもんね。

それはさておき、コナンの映画って毎回劇場版ならではの気合の入ったアクションシーンが見どころの一つだと思っているんですが、今回はいつもに輪をかけて凄かった。こんなのアリなんだ、と。とりあえずアクションシーンがほぼ良い意味で印象に残りました。

今回、函館が舞台の宝探しってことで、ゴールデンカムイを彷彿とさせる感じでした。コナンかゴールデンカムイかどちらかが好きだと楽しめて、両方好きだとエッセンスだけで楽しめる感じ。函館の街の魅力を沢山描いているので函館の街のプロモーションに大いに役立っているのでは。

函館、まだ行った事ないから一度行ってみたいんですよね。五稜郭行ってみたい。岡山からだと札幌(新千歳)は直行便があって行きやすいんですが、函館はちょっとねぇ……。でも、函館に行ってみたい。

今回、まじっく快斗や服部関係ががっつり登場するので、その辺りを含めて履修している人にはたまらない内容なんじゃないでしょうか。実際、観客もぱっと見た目20代~30代ぐらいの女性が多かった印象。コナンはほぼ映画でしか知らないので、細かい部分の意味を完全には理解出来ていないと思いますが、色々とファンサービス的な内容が多かったのは分かりました。

全体として、やりすぎなアクションシーンと、整合性を取るべく頑張って練られたであろうシナリオに頑張ってるなーと感じた映画でした。

以下、ちょっとだけネタバレ感想






















夜なのに「セスナが墜落したぞ」と一瞬で判別して非難を促せる一般人に一番感動してしまいました。

本人も言ってましたが、全体的に落ちてキャッチされるシーンの多い映画でした。服部においては、セスナから落ちたのにまた飛行機上に戻すんかい!!と。

そして、ケーブルカーのケーブルを伝って函館山に登っていくコナン君を見た時には変な笑いが。

この映画、2時間以内の作品なのにシナリオとか結構頑張って詰め込んでたから、割と急な場面転換多かったけど、地上波で放送された時はがっつりカットが入るだろうから、どんな感じになるんだろう、と怖いもの見たさを感じました。



(2024.04.13)(book)有罪、とAIは告げた

『有罪、とAIは告げた』/中山 七里


好きな作家さんの新作で、興味があるテーマだったので。

タイトルから想像出来る通りのあらすじ。だけど、そのテーマを魅力的な登場人物とオチを付けた展開でミステリに仕立てているのは流石の中山七里。

私達は小説を通じて様々な事を追体験出来るけれど、その物語を書く為に常に知識をインプットし続けている作者は本当にすごいものだと今更ながら。法廷と言う作者が得意なジャンルであるとは言え、AIと言う目新しい内容を扱っていて、作中ではAIの専門家が振る舞っている。その内容がこのジャンルに比較的興味があってアンテナを張っている自分にとってとても興味深いものだったので、アウトプットをする為にどれだけのインプットをしたのだろう、と。

AI、殊更生成AIにおいては、餌として食わせたビックデータをもとに出力する訳だけど、出力された成果物をどこまでを作業の手助けとして使うべきなのかと言うのは本当に現在多くの分野が直面している問題。

上手に使えばアイディア出しの一助になるだろうけど、その精度が高ければ高い程にその成果物に頼ってしまうのは仕方のない事だし、作業に忙殺されているような状況下に置かれているのなら、AI成果物をアシスタント代わりに使うのは自然の流れだと思う。

しかしながら、過去のデータを組み合わせて何かを作る事は出来ても、過去の知識を知恵に昇華させ、そこに新たな発想、アイディアを組み込んで新しいものを創るという事はまだまだ人間にしか出来ない分野だと思う。なぜならば、既存の膨大な知恵の荒野に垂らされる新しい一滴と言うのは、特定分野のビックデータだけではとても賄いきれない、その人が積み上げた今までの人生そのものだと思うから。

と、現在では確信をもって言えるんですが、ビックデータの集積量と分野が指数関数的に増え続け、体系的にアーカイブされ、分野を超えた情報のやりとりが出来るようになったとすると、AIを超える新しい創造を出来る人は、もしかしたらほんの一握りになってしまうのかもしれない。

そして、その日はそんなに遠い未来じゃないのかもしれない。多分それがシンギュラリティなんでしょうね。

読み終わった後にそんな事を考えていました。



残響 AIの発展ですが、「人間の器」が試されているのかもしれないですね。
「AIの成果物に頼る」ような易きに流れるのか。それともAIを「良き友」と出来るのか。
あるいは「AIの成果物に頼る」あまりに、自分の手で思考&創作をすることを忘れてしまうのか。
なんだか「つまらない人間はもっとつまらなくなっちゃう」式の考えがよぎりますが…ちょっと怖くなってきましたね。
それでもやっぱり、「良き友」を得られるのは、その人の人間的な器にかかっていると思います。
現代技術に興味があってSFを最近読んでいる私としては、興味深いテーマでした。更新お疲れ様です。 (2024/04/15 21:10:11)

まるまる
残響さん。
コメントありがとうございました。

まさに現在を書いている小説だったので、この時期に読むことに価値があると思った作品でした。テーマに絞った話でさくっと読めるので、興味があれば是非読んでみてください。多分図書館に入ってると思います(笑

インプットした情報を体系的に整理して知識とし、それを適切にアウトプット出来る能力と言うのは、割と高度なものであり、その作業に置いてはインプット情報の多さはそのまま強さになります。

ただ、その段階まではビックデータを使ったAIが似たような事を、人間よりも遥か多いインプットと処理速度で行ってしまうんですよね。

なので、人間に求められるのは、地平線を軽々と飛び越えた先にある創造なのかもしれません。何に影響を受けているかはお察しのコメントですが!

(2024/04/15 21:18:53)

(2024.03.08)(book)AI(アイ)に負けた夏

『AI(アイ)に負けた夏』/土橋真二郎


『生贄のジレンマ』等を書かれている土橋真二郎先生の本。この作者の作品は結構突飛な展開があるから、意識を物語の世界に向け、想像力で作品の世界に入り込めるとハマる。

うん。面白かった。内容もだけどテーマ的にかなり好み。距離や時間を越えて伝わる想いはあるのか?という初期の新海誠監督作品のような問題がテーマの一つなんだけれど、その解法の一つをAIとネットワークによって提示しているところが面白い。

そして、もう一つのテーマであるアンドロイドとの恋愛について。ボディを他人の意識をアウトプットする為の依り代として利用する事が可能な世界だからこその展開は新鮮だった。

内容は色々と物語的な盛り上がりがあったけれども、最後は分かりやすく感じに落ち着いたな、と。だからこその爽やかな読後感。

しかし、アンドロイドとの恋愛は憧れであり一種の理想であるけれど、アンドロイドが人間の代わりになり得る世界ってのは、娯楽が溢れて恋愛の優先度が下がる世界の究極系な訳で、出生率的な意味で怖いところはある。

ただ、そうなる頃にはアンドロイドが人間の代わりの様々な労働力になっているだろうし、出生率も、体外受精技術の発展で、恋愛と生命が生まれる事は切り離されて考える世界になっているかもしれないから、バランスはとれるのかも。……人間の仕事が残っているのか?言う問題を除いて。

ここ数年で生成AIを始め、シンギュラリティの兆しが見えてきているけれど、2017で描かれる近未来まではまだまだ遠いなぁ、と。人生の最後はVR空間か隣に寄り添ってくれるアンドロイドと共に迎えたいと思っているので、早く技術が進歩して欲しい。

なんか本の感想って感じではなくなったけど。

さて、他の人の感想を読むか。



(2024.03.07)(book)可燃物

『可燃物/米澤 穂信


新聞で広告を見かけて、『氷菓』の人の本だ!と言う事で図書館で借りてきました(今だと黒牢城の方が印象強いかも)。刑事もののオムニバス。

事件が起こって様々な状況や人間関係が出揃う中で、でも真相にたどり着けない。そんな状態の中で最後のピースを見つける事でバラバラだった事象が一気に繋がって事件解決に繋がる。そんなカタルシスに特化したような物語が多かったです。

なんですが、派手な展開と言うわけではなく、地道な捜査での証拠集めからの閃きと言った感じで、割と淡々と進んでいきます。

エピソードの一つで、スキー場での殺人事件というのがあり、凶器が見つからない、凶器は円錐状で鋭利なモノ、みたいな情報から凶器を探すっていう展開があり、最初にこの情報が出た時からずっと「氷柱が凶器で殺害後に溶けたんだろう」っていうミステリの定番ネタをずっと思い描いていたんですが、いい意味でミスリードされました。ちゃんとヒントが出ていたのに……悔しい。



(2024.02.17)(book)アリアドネの声

『アリアドネの声』/井上真偽


はい。図書館で眺めていた時に世界樹の迷宮が浮かんで借りました。アリアドネがギリシャ神話由来と言うのを今更知り、エピソードを読んでいてなるほど、と。

舞台は建設されたばかりの地下都市。地震が発生して都市が崩壊する中、地下に要救助者が取り残されている。その人物は目が視えず、耳が聞こえず、声が発せられない「三重障害」の女性。取り残された彼女を救出する為、ドローンを向かわせ彼女を途中にあるシェルターまで誘導する事になったのだった。というあらすじ。タイトルがまさに内容を表している作品です。

本編とは関係ないんですが、つい1年ほど前にドローンの簡単な講座みたいなものを体験していたおかげで、ドローンの操縦についての描写やドローン関係の専門用語について、少しですが実感を伴って読む事が出来ました。どんな事でも実際に体験すると色んなところで理解が深まります。何がどう繋がるか分からないものです。

冒頭に地下都市の断面図やフロアマップ等が描かれていたので、館モノのミステリよろしくかなりがっつりとトリックのようなものがあるのかと身構えて読みましたが、驚くほどさくっと読めました。だからと言って内容が薄い訳ではなく、一本筋が通った作品で無駄にダレる事もなく面白かったです。しいて言えばYoutuberの件がちょっと微妙だったかも。

そして、最後のオチがとても良かった。読んでいて全く気付かなかったから悔しい。と言うか、伏線を考えるまもなく読み終わるぐらい夢中で読んでいたとも言えるんですが。

何にせよ、スッキリとした読後感を味わえる終わりでした。そして表紙のイラストがとても好き。




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