Marumaru's TinyPlaza

(2019.03.25)(tour)萩岩睦美先生の原画展(+サイン会)に行ってきた

それは一通の葉書から始まる物語

萩岩睦美先生の原画展開催記念のサイン会に当選したのよー!!



萩岩睦美先生と言えば、「魔法の砂糖菓子」の漫画イラストを見た時、こんなにも素敵で可愛い世界があるのかと衝撃を受けて以来、自分のファンタジー世界観における可愛さの原体験として心に深く印象付いています。小学生の頃、家族の影響で「りぼん」を読んでいた頃は「くるみの森」が連載していたような記憶があるのですが、その時は絵柄がデフォルメのきいたイラスト調というのもあり、普通に可愛く面白い漫画の一つとして読んでいたように思います。

そして大学時代に改めて魅力に気づいてから過去作品を読み直すと、児童文学のようでもあり幻想的な世界でもある物語に改めて惹き込まれていきました。

その萩岩先生の活動40周年記念特設展、しかもご本人に直接お会い出来る機会。これは本当に一生に一度のチャンスだと思いました。自己中心的な言い方をするならば、今までずっと萩岩先生のファンでいたからこそ気づけた事柄に加えて、サイン会の抽選に当選するという幸運が加わって初めて織り成された当選ハガキだと勝手に運命を感じたりしました。

博多とか

そして九州へ向かった訳ですが、やっぱり道中の新幹線はビールですね。プレモルでちょっぴり贅沢に。真昼間からお酒が飲めるのが旅行の醍醐味です。いや、ホントに。

博多着、新幹線だと早いですね。モンハンのクエストを数個やってるうちに着いてしまいました。

お昼がまだ、と言うかせっかく博多に行くならってことでラーメンを食べたくて、JR博多駅の中にあるラーメン屋さんが集まっている区画「博多麺街道」へ。

ShinShinというラーメン屋さんにしました。

これぞとんこつラーメンという感じで非常に美味しかったです。余談ですが、とんこつラーメンにはオニギリが合うと思うの。塩がきいたご飯がとんこつスープにとても合って美味しい。

少し前にニュースで、博多駅前のポプラで角打ち(お店の中で立ち飲み)が出来る!と見かけたので、これ幸いと寄ってみる事にしました。駅前にポプラが数店あるのでちょっと迷ってしまいました。

内観。お酒の美術館と銘打つだけあってかなり本格的なバックバーです。10人分ぐらいのカウンターにバーテンダーさんが4人程いらっしゃいました。駅前ってこともあり、急いでいる人の為に提供時間を早める工夫でしょうか。

クラフトビールが沢山あったので、バーテンダーさんと話をしながら勧めてもらった「AfterDark」という銘柄。黒ビールなんですが、特有の苦味が少なくまろやかさと香りが引き立っていました。ちなみに、時間の関係でこの後、ナッツを流し込みました……。仕事帰りにバーテンダーさんと話をしながら美味しいお酒を一杯二杯という飲み方をするのに最適なお店だと思いました。

ツマミはポプラで買ったものを持ち込めるので、飲むお酒の種類に応じてツマミの種類や量を選べるのもいいところ。チャージもないので本当に気軽に使える場所だと思いました。と言うか、こんなお店が近くにあったら絶対に通っちゃう……。博多駅前っていう最高の立地だし、近郊の人は沼に嵌っちゃう人が多いんじゃないでしょうか。

ポプラ帰りに撮った博多駅。博多駅って正面のこの時計が特徴的で格好良いなぁと思います。

佐世保へ

そして特急みどりに乗り佐世保へ。

どうして佐世保かと言うと、せっかく九州に行くならってことで、義実たかさんと会ってきました。久しぶり?の再会で久闊を叙した後、食べたり飲んだりしたんですが、そこは割愛。

で、2次会のカラオケになだれ込んだ訳ですが、

シティーハンター、TV版と劇場版ってこうやって比べてみるとクオリティの差がすごい。


義実さんのお宅に泊めて頂き、夜寝る前に色々とお話をしていたんですが、気づけば百合談義に。

いやー、百合って色んな識者の方の話を聞けば聞く程に宗教のような感じがします。「女の子同士がキャッキャウフフしてるの最高!」っていう原点であり原典は一緒なのに、男性の存在、介入具合、そして愛情表現であるキスから始まる肌の触れ合いをどこまで許容するのかといった部分で教義が分かれる辺り、これが宗教対立なのか!?と。

そう、教義の違いなんですよね。良い悪いじゃなくて、皆それぞれ正しいと思う在るべき姿が違うんですよね。特定の言葉の定義に対して、それぞれの正義がぶつかり合うから、話が難しくなる。

それが百合というある種のファンタジーを含む概念に対することだから余計に。現実的にはっきりと決まっている定義されている事柄ではなく、概念に対する定義を各々の正義に基づき行おうとしてるので、そこに存在するのは損得勘定なんかではなく己の譲れないプライドのみ……。こんな事言うと本気で怒られそうですが、日本人には本質は理解出来ないとまで言われたカトリック・プロテスタントの宗教対立の片鱗を少しだけ、本当に少しだけ感じられたような気がしました。

と言っても、義実さんと言い争った訳じゃなく、話し合いの中で自分が感じただけですので。

ちなみに、話の論点が何だったかについては自分のBlogで書く内容として適切ではないと判断しましたので、興味のある方は直接お問い合わせ下さいな。(ほぼほぼ私信ですが)


義実さん宅での事についてもう一つ。

模型作成用のニッパーを頂いたんですよ。買い換えたのでお古なんだけど、まるまるさんが使ってるのより多分切れると思うから良かったら、と。で、ランナーを試し切りさせてもらったんですが、確かに今使ってるのよりすごく切れる。やっぱり道具が違えば違うんだなーと思っていたところ、ここからが本題なんですが、渡してもらう時に「抜き身だとなんだから袋にでも」と言って紙袋を用意して貰ったんですよ。抜き身……ああ、そうか、このニッパーは「刃」なんだなぁ、と。そう思った時に、ちょっと視野が開けたような気が自分の中でしたんです。

今まで、ニッパーってハサミのようなイメージがあったんですが、どちらかと言うとナイフや包丁に近いのだなぁ、と。

余談ですが、義実さんが買い換えたという新しいニッパーを使わせてもらったんですが……もう完全に世界が違いました。ランナーの太い部分が何の手ごたえも無くスパスパと切れちゃって、思わず笑っちゃいました。やっぱりどの分野でも高いものっていうのは根本的に何かが違いますね。良いものの良さを分かるぐらいの知識や経験は欲しいものです。

明けて翌日、義実さんオススメのちゃんぽん屋さんへ。

ちゃんぽんと言えばリンガーハットぐらいでしか食べた事が無かったんですが、スープの味が具と麺にしみ込んでいるように感じるリンガーハットに比べ、こちらのちゃんぽんは具と麺を油で炒めている風で、麺のモチモチ感、具の歯ごたえを残したままスープと一緒に味わえる感じでした。

と言うか、スープがコクがあって本当に美味しい。年を重ねて改めて思うんですが、分かりやすい味を簡単に付けられる調味料だけの味ではなく、お野菜や魚介を煮込んで旨みがしみ出したスープの味と言うのは本当に贅沢なものだなぁ、と。そんな完成された味付けのスープだからこそ、具材や麺にしみ込ませて食べるのではなく、それぞれの味を活かして一緒に食べるという食べ方が合うのかなと思いました。

今回は時間の都合で駆け足でしたが、今度の機会には是非とも特製ちゃんぽんの麺&具のW増しを頼みたいところ。余談ですが、Wをウイングって読んでしまうのは世代的にしょうがないですよね。

小倉

そして小倉駅到着。貼ってあったポスターが可愛かった。

萩岩睦美先生のツイートで、新幹線で来る人は改札右にある「三日月」ってお店のクロワッサンが美味しいのでおススメ。とあったので、さっそく行ってみました。



詳しい場所を調べていなかったので、改札を出てからゆっくり探そうと思っていたんですが、本当に改札のすぐ右手!むしろ、新幹線改札を出る前から看板が見えているレベル。これは絶対に見逃すことが無い立地でした。

クロワッサンがお勧めってことは美味しいパン屋さんなのかなぁ、と思っていたんですが、ショーケースを見たらクロワッサンしかない!むしろ、見たことも無いぐらいのバリエーションに富んだクロワッサンが目の前に並んでいました。そう、ここはクロワッサン専門店。だから「三日月」なのね……と納得しました。

季節限定品やチョコや紅茶味など色んなクロワッサンがあったんですが、まずはクロワッサン専門店のクロワッサン自体に興味があったのでプレーンを。クロワッサンって普段食べるのはビジネスホテルの朝食か、スーパーで売ってる沢山入ったミニクロワッサンぐらいなので。

で、お味なんですが、しっとりとしていて、ふんわりとしていて美味しかった。もう本当にただただ美味しかったです。で、帰りにチョコ味も食べたんですが、プレーンがあってのプラスアルファって感じでこちらも最高でした。余談ですが、包装の紙袋がとても開きやすくて、流石に高級品は違うなぁ、と関心する事しきり。

小倉駅を出ると、ハーロック様が迎えてくれました。格好良すぎる。宇宙じゃなくて青空をバックに背負っているハーロック様というのは何だか新鮮。

そして今日の目的地、小倉駅を出てすぐの「あるあるcity」内「北九州市漫画ミュージアム」



道中の吊り広告が良い感じにサブカルの世界へと誘ってくれます。後で知ったんですが、あるあるcityのマスコットキャラらしいです。

んで、あるあるcity到着。入り口にあった萩岩睦美展のキービジュアルポスターに既にテンションが上がってます。テンションが上がりすぎて、入り口でやってた「ストップウォッチを特定の秒数で止めたらプレゼント」みたいな企画に嬉々として参加してしまうぐらい。完全におのぼりさんです。そしてストップウォッチを1/100秒で狙って止められる訳もなく。

特設展の壁。りぼんの誌上や付録、そしてコミックス等で見慣れたイラストが、カラーで自分の背丈よりも大きく目の前に在る感動と不思議さったらもう。今、2019年だよね!?

特設展の中は原画が展示してある関係で当然撮影は禁止。ですが、入り口等には撮影可のスペースがあって、特大のイラストが展示してありました。

繰り返しになりますが、自分がずっと前から好きという気持ちを抱き続けていたものが、目の前でスポットライトの光を浴びて、同じく好きな人達が喜びに満ち溢れた視線で眺めているんです、何この幸せしか存在しない世界は。

サイン会が始まる前、待機場所で注意事項などを読んでいると、萩岩先生デザインのモモマルくんが遊びに来てくれました。仕草が超可愛い。そうか……リアルで2頭身のキャラが動くとこんなに愛らしいものなのかー。ちなみに撮影をすると記念品プレゼントということだったので、最初はちょっと遠慮していたんですが、途中から我慢できなくなって撮影しました。

と言うのも、サイン会に並んでいた人が自分以外100%女性っていう状況だったんです。正確には、女性と、母親+娘さんっていう感じで。なので、ただでさえ女性の中にオッサンが一人っていう異様な状況なのに、着ぐるみカワイイ!!ってはしゃいでいるのは流石によろしくないな、と。でも我慢出来なかったのでさくっと1枚だけ撮影。

しかし、参加者の年代はやっぱりと言うか、私と同じぐらいか少しだけ上ぐらいの人が多かったです。私が小学校高学年ぐらいの時で連載してたのが「くるみの森」だったから、初期作品を小学校~中学校ぐらいで読んでいる世代だとそんな感じになりますよね。で、子供連れの人は、自分の子供に読ませます!みたいな話をしていて、そうだよね……。購入した指定の本にサインをしてもらえるんですが、絵本を買って子供の名前でサインをしてもらっている人とかもいて。うん、そうだよね、そういう年齢だものね。

ちなみに私は愛蔵版「魔法の砂糖菓子」にサインして頂きました。やっぱり自分にとっての思い入れのある作品なので。

しかし、サインをして頂ける時に一人3分の持ち時間で萩岩先生と話を出来る機会があったんですが、緊張しすぎて、昔からずっと好きでした。という旨の自分の好きを伝えるので精一杯でした。で、途中から「ツイートされていた小倉駅三日月のクロワッサン美味しかったです」みたいな世間話になりそうだったので、こんな話してちゃダメだと自分で話を切り上げるという体たらく。

本当は「魔法の砂糖菓子」のラストの解釈を先生ご本人にお伺いしたかったのですが、やっぱりそれはしちゃ駄目だなと思いとどまりました。自分が読んで物語から感じたものが自分の中の正解で。多分、その質問を先生に投げかけた時に「あなたはどう思いましたか?」と返されるのが怖かったのかもしれません。

そしてサイン会を終えて、改めてゆっくりと特設展を見て回りました。漫画のキャラクターと一緒に写真を撮れるPOPが立っているコーナー。

同じく、モモマルくんのPOP。

萩岩睦美の世界展について

まず、展示総数600枚以上という圧倒的な作品数。一般的な美術館の特設展を考えるとその数の多さが分かります。やっぱり今まで印刷でしか見たことの絵の、手描きの本物を間近で見られると言うのは本当に幸せな事でした。今まで見たことがあるイラストも、初めて見る大きなサイズで、実際の紙に描かれたものを紙の凹凸まで分かるような近さで、そして額に飾られたものを遠くから眺められるのは美術館ならではです。

付録用やカット用などのイラストも多く、実際の完成品に使われていない部分のレイアウトや、打ち合わせ段階での指示書き等も多く、そういった部分を見る事が出来たのも嬉しかった。ミュシャとかもそうですが、商業用に描かれた絵というのは、お客さんの目をひいて販促効果を生んでなんぼのところがあるので、非常にキャッチーで目を楽しませてくれます。伝える為の作品という意思に溢れた職人技だなぁ、と。

漫画では、「魔法の砂糖菓子」が1話丸々、「銀曜日のおとぎばなし」の最終話の原画が展示されていました。写植の文字が貼られていたり、特殊効果の指示書きがあったりと、メイキングを見ているような楽しさでした。

そして、入り口に萩岩先生のこの特設展開催に対しての想いが綴られていました。曰く(細部違っていたらスミマセン)、水彩の原画は光に弱く、外に出す事に抵抗があった。だが、活動40周年の節目と自分の年齢を考えるにつれて、これらの作品が陽の目を見ないままになる事に疑問を覚えるようになった。それならば、外に出して自分の作品を見たいと言ってくれる人の直接の反応を味わいたい。だから、この展示は多分、最初で最後になるだろう、と。

最初で最後、つまり一生で一度のチャンス。今まで好きという気持ちを持ち続けて歩んできた道が、一生で一度だけ、好きで在り続けた本物に囲まれた世界、そしてその作者さん自身と交わる事になる。これってすごく特別な幸せです。絵に限らず小説や音楽等、誰かが作った作品に触れる系の趣味と言うのは、リアルタイムで本物に触れる事が出来るのって特別だと思うんです、本当にタイミングだけの問題だから。そういう意味で、今回はとても幸運でした。

スケッチブックもそうですけど、今まであまり話す事が無かった、話す機会も無かった自分の好きなものが好きで集まっている人達が居る場所に行けた事が嬉しかった。

そして、原画展の後、小倉駅近くで義実さんと夕食を食べていた訳なんですが、ここに辿り着くまでが長かった。

この「あるあるcity」ってビルが所謂オタク系のショップの集合体みたいな建物で、駿河屋、らしんばん、メロンブックス、アニメイト、まんだらけ、etc……。もう、オタクからお金を搾り取ってやろうという明確な意思を感じる魔窟でした。そりゃ、そんなフロアを素通り出来る訳もなく、気づいたら同人誌を漁っていました。

しかし、同人誌って言うか同人誌ショップってサークル名で分けられてはいますが、ペンネームやサークル名しか表記していない本を実際に描いた作者名は誰なのか?という情報は基本的に出されていない訳で、それを知っているか絵柄で見分けられないと買いにくいんですよね。ジャンルや好きなキャラの2次創作だからって理由で買う事もあると思いますが。だから、同人ショップをそれなりに楽しんで、あまつさえ欲しかった本をピンポイントで探したりしてる時点で、業が深くなってしまったなぁ、と。実際、大学時代とかは同人ショップって何が楽しいのかよく分からなかったはずなんですが。この辺り、ネットのDL販売等のおかげで同人自体の敷居が低くなった事も理由かもしれませんが。

んで、食事ですが、九州名物らしい鯖の粕煮が美味しかったです(こなみ感)。

琥珀色の刻に誘われて

義実さんと別れた後、自分の新幹線の時間までちょっと時間があったので、ネットカフェで時間を潰すか、軽く飲み直すかどうしようかなーと小倉駅周辺をうろついていたところ、何やらオシャレなバーを見つけたので入ってみる事にしました。

とても気さくなバーテンダーさんと雑談をしながら、最初はまずビールを頂こうと、IPAが好みですと伝えて、クラフトビールを頂きました。話に夢中で銘柄を忘れてしまったんですが、ホップが強烈に香る大変に美味しい一杯でした。

で、個人的にバーで写真を撮るのはあまり好きじゃないんですが、バックバーを眺めながらの雑談の中でそんな話もしていると、是非撮ってください!との事だったので、写真を撮らせてもらう事にしました。ちょうどお客さんも私だけになっていたし。

この後ろにも棚があったんですが、ジンの品揃えが非常に豊富でした。シングルモルトのスコッチも多くて、ほんとバックバーはそのお店の個性が出るから好きです。他の人の家にお邪魔した際、本棚がその人自身を表しているような感覚です。

で、2杯目。アイラ島のシングルモルト、カリラがあったので頂きました。アイラ島のシングルモルトはどれもピートの風味が効いているのが特徴ですが、カリラはその中でも特にピートが強く個性的で好きです。加水した時に、閉じられた蓋から香りが花開くような一瞬が本当にたまりません。

そして、(メニューを見ないで頼んでいたので)カリラのお値段を聞いてみたんですが、意外とお手頃だったんです。そしてチャージも取らないとのだったので、自分の中でスイッチが入ってしまい、今夜はこのお店で楽しく飲もう!と決めました。

3杯目、ホーセズネック。私はバーでバーテンダーさんがお酒をつくってくれている姿を眺めるのが大好きなんです。シェーカーであったり、ステアであったり、それ以外にもお酒をつくる上での様々な所作は本当に洗練されていて目を楽しませてくれます。

このホーセズネック、一般的なレシピだとレモンを絞った後に、レモンの皮を1個分繋げて剥いて、それをグラスに入れる事で馬の尻尾を表現しています。つまり、レモン1個の皮を途中で切らないように剥く必要があるっていう割と面倒なカクテルなんですが、ナイフで綺麗に剥かれた皮がグラスに付けられる光景はなんだかワクワクします。

4杯目、シンガポールスリングのラッフルズホテルスタイル。ラッフルズホテル発祥のシンガポールスリングですが、一般に流通しているレシピはだいぶ簡略化されたもので、作り方も味もシンプルなものになっています。

対して、ラッフルズホテルスタイルは実に10種近い材料を使った豪勢なものになっています。味も非常に濃厚……ぶっちゃけ、とても甘いんです。が、何かと甘味が多かった九州旅行の〆としてはこれも良いのかな、と。目の前に材料がずらっと並ぶ姿は壮観です。しかし、これだけレシピが違うカクテルを「スタイル」って言葉で同じ括りにしちゃうのはどうなのよ?と、言う酒の席の話のネタですね。

5杯目、シャルトリューズ(緑)。薬草のリキュールです。最初はカクテルを通して知ったんですが、ハーブの風味が気に入ったので、見かけたら飲みたい一杯です。このお酒、味も好みなんですがボトルも格好良いんですよね。しかも、もともと修道院で作られたリキュールだったりします。そして、薬草等を使っている関係で、エリクサーと正式に定義されているお酒なんですよね。

修道院で作られたエリクサーを仄暗いバーで飲む……もうそれだけでワクワクします。中二病満載ですが、良いんです、バーだから自分の好きにどっぷり浸っていれば。

ちなみに、修道院で作られたお酒にはビールもあって、トラピストビールって呼ばれています。個人的にはシメイは赤が甘みとコクが強くて好きです。ツマミがいらない味です。


6杯目、ダイキリ。これは写真撮り忘れました。ラムは全体的に甘みと風味が強くて好きです。寒い時はホットラムにバターを入れて飲むと体が暖まります。ちなみに使用された銘柄はバカルディだったんですが、ラムを使ったカクテルだとバカルディが選ばれる事が多いように思います。癖の少ないシャキッとした味なのでベースに良いんでしょうね。

7杯目、ギムレット。ギムレットはレシピこそジン+ライムっていうシンプルなものですが、頂くお店によって本当に個性が出て好きです。すっきりとした味で締めにもいいですし。小説の言葉を引用して会話のネタにもなるし。

で、このお店ではベースのジンにNORDESというジンを使われていました。飲んだ時の口当たりが今までのギムレットとはあまりに違った、でもとても美味しい味で思わず笑っちゃいました。NORDESだけを少し飲ませて頂いたんですが、フレーバーが入っているのか風味がすごかった。ジンベースのシンプルなカクテルだからこそ、ベースのジンに個性があると、全体の仕上がりががらっと変わりますね。本当に面白い。

After all

新幹線待ちの90分でこれだけ飲んだら、そりゃ酔いますわね。その前にも小倉駅前で義実さんと楽しい時間を過ごしながらそれなりの量を飲んでいましたし。

先回りの後悔は要らない!と林原さんの名曲を思い起こしながらバーでがっつりと遊んでしまいましたが、次の日は本当に生ける屍でした、色んな意味で酷い。

しかし、九州に旅行出来て、友人と会えていっぱい話せて、好きな作家さんの原画展&サイン会に行けて、美味しいものを食べて、飲んで、もう本当に最高の体験に囲まれた二日でした。

最後になりましたが、二日間に渡って付き合って頂いた義実さん、お世話になりました。本当にありがとうございました。




<(2019.02.26)(movie)劇場版シティーハンター (2019.04.18)(book)椅子さえあればどこでも酒場>