Marumaru's TinyPlaza

(2018.05.03)(movie)名探偵コナン ゼロの執行人

『名探偵コナン ゼロの執行人』


久々にコナンの映画を劇場に観に行った気がします。前作の『から紅の恋歌』が予想外に面白かったので、自分の中でコナン熱が盛り上がってました。

いやー、面白かった!!

最初に爆発から始まるのはお約束として、今回のコナンは踊る大走査線風と言うか、警察の内部事情の会話中心で進んでいく話なのかと思ったら最後の盛り上がりは流石でした。

劇場に行って思ったんですが、コナンの映画って本当にお客さんの層が幅広いんですね。家族連れはもとより、男性だけのグループ、女性だけのグループ、子供だけ、単身と、本当に老若男女を満遍なく見かけました。内容も、アクションあり、笑いあり、シリアスありと、エンタメに必要な要素を幅広く網羅してるので、誰かの付き添いで来た人も満足出来るのが強いですね。それ以前に、コナンの知名度の高さから最低限の内容を知ってる人が多いのも強い。

数週連続で観客動員数トップなのも頷ける感じでした。GWで込み合う映画館の中、数ある映画の中で上映回数がダントツだったんですよ、コナン。邦画だから字幕・吹き替えと分けなくて良いのも影響しているのかもしれません。

以下、ネタバレ感想


































コナンはとんとご無沙汰だったもので、最近のキャラの事をよく分かっていなかったんですが、安室さん……声がアムロって。しかも本名が降谷零って、声優ネタも盛り込んだ完全に確信犯じゃないですか!

多分、これを見たオッサンの多くがツッコミを入れたであろう部分なんですが、アムロの声で衛星が落ちてくるとか、完全にコロニー落としを連想させますよね。言うのも野暮ですが、言わざるを得ない。

アクションシーンについて、中盤のコナンとアムロが警視庁に向かってるシーンは、車が飛びすぎやろ!とか思いつつも、静と動の対比が映えていた格好いいシーンだと思いました。コナンって妙にアクションシーンに力入っているなぁ、とか思って眺めていたんですが、最後のアクションシーンは乾いた笑いが。から紅のラストなんて比較にならないぐらいの無茶してますね。アニメならではって割り切って観るべきなんでしょうが。

しかし、ドローンに爆弾を付けて衛星カプセルの軌道を逸らせ一件落着って感じを出してましたけど、全然落着してないんえすよね。むしろ軌道が警視庁からカジノタワーに切り替わって状況が悪化してるっていう。

んで、ドローンを使い大気圏内でぶつけて軌道を変えてから、橘弁護士の告白→警視庁ヘリポートから降りる→橋を渡る→カジノタワーを登る→カプセルの軌道再変更って、カプセル最初に軌道変わってからどれだけ大気中を彷徨ってたのよ!と(笑)

・橘弁護士、最後の告白を含めて見せ場のシーンが多いのに声の演技がなんか微妙だなーと思ったら上戸彩だったんですね。

・風見さん、カミーユじゃないですか。飛田さんはカミーユっていうよりタマちゃんのお父さんって感じで、そんなに違和感無かったんですが、アムロがアムロすぎて、更にガンダムで重ねるか、と。どうせなら池田秀一さんも連れて来れば良いのに。

・アムロの声で「大気圏が~」とか言って宇宙からの落下物を阻止する内容なら「このままでは地球が寒くなって人が住めなくなる!」ぐらい言って欲しかった。

・コナンって、ドローンがちょくちょく出てるみたいだし、IoTとかTor(劇中ではNor)とか、比較的新しいネタをトリックにどんどん取り入れていく柔軟さが良いんだろうなぁ。

・コナン劇場版でサブタイトルの後半漢字部分を英語読みさせないのって久しぶりじゃない?

・なんでサッカーボールをサンプルケースにぶつけたら花火が上がるのさ。



(2018.05.17)(book)ブラッドハーレーの馬車

『ブラッドハーレーの馬車』/沙村広明


先日、ネットの試し読みで魅かれて、沙村広明の「波よ聞いてくれ」を買ったんです。んで、友達と「この人って『無限の住人』のイメージだったんだけど(未読)、この本も面白かったですよー。」みたいな話をしていたところ、「沙村広明なら『ブラッドハーレーの馬車』ただし、自己責任で読んでね。私は好きだけど!」みたいな会話があったんですよ。何それ、超気になる。

ってことで、Kindleで買ってきました。アマゾンプライムに登録した関係で、Kindleがワンクリックで購入できて……便利な反面ちょっと怖い。


学生時代に桐生操とか読んでいたんですよ。「本当は恐ろしいグリム童話」とかの。んで、サブカルにかぶれて完全自殺マニュアルとか、世界史の拷問図鑑みたいなのを見たりする訳です。有名どころだと、苦悩の梨とかファラリスの雌牛とかね。

それはさておき。歴史を紐解けば、場所に関わらず裏では色々とエグい事が行われていた訳です。人間がやってることですからね。モリスンさんも「この世に悪があるとすれば、それは人の心だ」って言っていますし。

ただ、行為の描写は非道いものだとしても、それは物語を描く上で無くてはならないものなら、それは必要なものなんですよね。エロやグロをフィクションとして割り切り、それを必要とする物語と作品として受け取る事が出来る。それが精神的に大人になるという事でしょう。


この作品、救いが無いんですよ。でも、そこが魅力的なのかもしれません。何と言うか「館モノ」に通じる魅力を感じました。現実と隔離された場所で行われる退廃的な行為。時間の経過と共に失われていく権力。それでも、その繁栄の残滓にすがりつく様に体裁を保とうする人々。

そんな中、時代は移り変わろうとしている。屋敷は忌まわしい出来事の記憶と共に消え去り。全ては歴史の闇の中に葬り去られる。うん、館って最後は炎上しないとね(ちょっと違うけど)。

読む人によって印象に残る場所が違うかもしれないし、人によっては嫌悪感しか覚えないかもしれないんですが、私は印象に残った作品でした。好きっていうのとは少し違うかも。

ここまで書いて思ったんですが、以前に「親なるもの 断崖」の読んだ時の感覚に似ていました。



(2018.05.18)(book)ハミングバード・ベイビーズ(2)

『ハミングバード・ベイビーズ』2巻/朔田 浩美


面と向かって告白をして返事が貰える恋は、結果に関わらず、とても爽やかで青春してて恋に恋する自分よがりの恋。

それを若さだと、子供だと言うのなら、大人というのは雰囲気を察するもの。直接的な言葉は言わずに、雰囲気で状況の積み重ねで答えを類推するもの。

1巻とは打って変わって平とヨネを取り巻く恋愛模様が渦巻いている2巻、完結巻。地の文を使わずに会話と流れる雰囲気で語られる心情描写が良いです。恋愛や将来の事を、音楽と飯を通じて語る物語っていうのは新鮮でした。

心の奥に仕舞いこもうとしている記憶の扉が、ふとした何気ない一瞬に流れる情景に紐付いて開いてしまう。そんな心の機微を繰り返しながら、記憶は時間と共に流れていって心の琴線は手の届かない遠くへと沈んでいくのかもしれません。

鳥の囀りっていう名を冠した二人ですが、平は鳥は鳥でも鷭(バン)だったのかもしれない。底の見えない可能性と底知れない畏怖のようなものを纏った平、そしてその平には自分が必要だと感じて平をあきらないヨネ。ハミングバードベイビーズにはどんな未来が待っているのか……っていう話ではないんですよね。平もヨネもお互いにコンプレックスを抱えていて、そんな二人がお互いに音楽を通じて惹かれあっていく。そんな二人の心情を飯を通じて描いているが好きです。壮大なストーリーがある訳じゃなくて、普段の時間の流れを切り取ったような。

1巻は飯漫画+音楽+女性デュオ。っていう要素の組み合わせで見てしまったんですが、2巻収録分の内容から心情面の踏み込みが深くなったような気がします。もしかして1巻は準備期間だったのかな、と思う程。

魅力的で才能がある主人公(平)が居るのに、その才能部分に焦点を当てる訳じゃなくて、平の感情的な日常を描いてるんですよね。傍から見ると飲んでばっかり、っていうか音楽要素もある漫画なのに飲みのシーンが多すぎるだろ!って思ったりもしたもんですが、なんだろな、飲み(食事)っていう欲求を満たされる場で吐露される感情的な会話で場面が進んでいくって面白い。

正直、この漫画って最初から2巻完結の予定だったのか、2巻で打ち切りになったのかは分かりません。ただ、交差する人間模様の流れを切り取って傍から眺めるような、こんな漫画があっても良いよね、って思いました。




ちなみに、一番印象に残った……と言うかお気に入りのシーン。読んだ人には分かると思うんですが、想像におまかせするってこういう事ですよね。深く語らない事が一番の正解って言う。

『ハミングバード・ベイビーズ』2巻より



(2018.05.24)(book)ブラック企業に勤めております。

『ブラック企業に勤めております。』/要 はる


ブラック企業モノってジャンルで伝わりそうな小説。ネット発やサブカル界隈からじゃなくて、普通の文庫(なんだけ?集英社オレンジ文庫って)からこういうテーマの小説が出る事自体、何だか間違っているような気がしますが……。

タウン誌を発行する会社の事務に就職した夏実が、ブラック企業の個性的な愉快な仲間達とおくるドタバタ劇。ブラック企業という言葉が使われていますが、事務職の視点だからかもしれませんが、激務で死にそう!みたいな感じではなく、説教の長い上司を始めとする営業職の個性的な男性陣とのやり取りを中心とした人間関係で構成される話です。

事務の頑張る女の子が、営業の人達とやり取りするうちに気づいたらお客さん対応をしていて、問題を解決するっていうすごく分かりやすく読後感の良い展開。登場人物のキャラがすごく立ってるから、映像化しやすい気がする。そのうちドラマにでもなるんじゃないかな。と言うか、表紙のイラストだけで既にキャラが完成されている気がする。

特に、主人公が何度か発する決め台詞のようなものは、映像化した時の予告編映えすると思う。3巻ぐらいまで出てるらしいんです。

とにかくさくっと読める普通に面白いエンタメ小説です。下手すりゃ、こち亀みたいな文字の多い漫画・ちゃんと読み込まないといけない漫画より早く読めるかもしれない。何かの待ち時間が発生する際に鞄に入れておくと間違いがないタイトル。



(2018.05.24)(book)幾日

『幾日』/幾花にいろ


エロ漫画ですのでご注意。

少し前からとても気になっていた作家さんの初単行本です。表紙がピンク過ぎる。

この作家さんの絵柄、エロ漫画にしては珍しい絵柄なんですよ。アフターヌーン系と言うか、青年誌・少女漫画風と言うか、主線をあまりはっきり描かない絵柄です。鉛筆のラフな線を残した感じと言えば良いのか。

そして、ストーリーがとても好き。1話完結の短編集なんですが、女性のギャップの描き方がとても魅力的なんです。最初はとっつき難い感じだったけど、実は積極的だった、とか愛嬌があった、とか。で、そのギャップを見せるキッカケになるのが、ヒロインが主人公に向ける好意なんです。ギャップに驚きながらも新しい一面を見られて喜んでいる主人公に、ヒロインが自分からその理由を話す、みたいなシチュエーションが多いんです。

一話20Pぐらいの短い話の中に、男女の出会いからヒロインがギャップを見せるに至った心の機微、そして成人漫画らしく情交を結んで、致した後の余韻を残しながら物語を〆る。そんなメリハリのある物語構成が好きです。

あと、主人公が最初はヘタレな事が多く、ツリ目のヒロインがリードして、最後は主人公が男を見せるっていう展開、王道だけど良いものです。

色々と語りたい事はあるのですが、仔細を語りだすとサイトの趣旨から外れてしまうのでこの辺りで。気になった方は是非読んでみて下さいな。




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