Marumaru's TinyPlaza

(2024.01.23)森薫先生の原画展に行ってきた

ちょっと新幹線に飛び乗って、

日帰りで小倉に行ってきました。メーテルと鉄郎がお出迎え。以前来た時にハーロック様とは邂逅していたんですが、この二人も居たんですね。なんてお洒落な駅前。

で、小倉に来た目的はこれ。森薫先生の大乙嫁語り展。原画展です。



森薫先生は大学時代に知ったんですが、個人イラストサイトにて県文緒名義で同人活動をされている時からのファンです。当時から情熱に溢れていて、メイドさんの熱い同人誌を出されていました。

その流れで『シャーリー』や『エマ』がある訳ですが、メイドさんを描くと言うか、メイドさんが存在する世界を描かれているんです。当時の生活を描きつつ、その中で働いているメイドさんにスポットを当て描かれている。

そして、セリフではなくて描写で映画のようにシーンを見せてくれるんです。描きたいと思う大切な事をしっかりと描く。そんな想いが伝わってくる作品ばかりです。

続く『乙嫁語り』では旅行者スミスさんの視点から、中央アジアで暮らす様々な乙嫁(お嫁さん)が描かれています。エマの後半でもそうでしたが、この乙嫁語りは特に描き込みが凄まじいんです。特に刺繍の意匠の描き込みがすごい。そんな刺繍を始めとした動物や街の描き込みが、19世紀後半のアジアの国々の生活風景をまるで目の前で見ているかのように浮かび上がらせてくれます。

と、そんな感じで大ファンの森先生の原画展なので、これは行くしかない!と割と強行軍で行ってきました。

何が良いって、絵が大きいんです。普段、コミックでしか見られない絵が目の前に広がっている感動。近づいて見ると紙の質感もあって絵が立体的に見えます。うまく言葉に出来ませんが、好きな作家さん、作品の実物の絵が目の前にあると言う非現実的な感覚。

ネーム原稿と原画とコミックの完成原稿が一緒に展示してあるので、手書きのセリフや修正部分などが見られます。原画展って原画と完成原稿を並べて展示してあることが多いみたいで、こうして比較しながら見ると見慣れたシーンにも新しい発見があって面白いです。何と言うか作品に対する解像度が上がったような感覚。だから、もう一度コミックを読み直したくなるんです。

原画展で受ける感覚は、好きなアーティストのライブに行くと、そのアーティストの音楽がもっと好きになって何度もリピートしてしまう感覚に似ているかもしれません。ただCDで曲を聞いていた時よりも、ファンになりライブに行くと、曲から受ける情報が多くなって、そのアーティストの考え方や人柄を知って更に好きになる。それが曲を聞く時にフィードバックされて曲に対する理解がより深まってもっと好きになる。

そんな幸せな好循環が原画展と作品・作者の間にもあると思います。

原画自体も素晴らしいんですが、展示の中に含まれる森薫先生の膨大な数のコメントやインタビュー等に触れる事で、先生の考えや創作に対する姿勢等を知る事が出来て、これから森先生の作品を読む時には更に多くの事を得られると思います。

他にも、作品のテーマになった舞台の解説や、森先生のライブドローイングの様子、テーマごとに区切られた展示、先生が影響を受けられた作品や使われている道具、そして来場者の想いが綴られたコミュニケーションノート、ミュージアムショップなどなど。

もうね、原画展の会場に存在するもの全てが光り輝く宝石のようなものばかりなんです。そんな大好きで素晴らしい要素に囲まれた空間の中に居られる事は、ただただ幸せの一言でした。

気付けば2時間近く会場に居ました。映画を1本観るぐらいの時間をこの空間で過ごしたんだと思いながら、心地の良い疲労感を携えて会場を後にしたのを覚えています。コミュニケーションノートに描き込んで、お土産も買って大満足です。

どの美術館でもそうですが、ちゃんと観ようと思ったらやっぱり2時間ぐらいかかりますね。

ちなみにこの原画展はミュージアムショップ以外は写真撮影可で、SNS等でどんどん拡散して下さいとの事でした。最近のコミック・アニメ系の展示の流行りなんでしょうか。

今回、個人的には写真をかなりたくさん撮ったんですが、敢えて原画展の展示内容の写真と展示内容の詳細は書かないようにしています。

同じ建物の中でグリッドマンのショップが出店していました。写真はキービジュアルのPOPなんですが、この二人、自分のアピールポイントを完全に理解している……。



この日は、義実たかさん(@black_and_short)と一緒に行動していたんですが、原画展を観た後に小倉で軽く飲んできました。

お互い小倉の飲み屋にあまり明るくないので、とりあえず角打ちのお店で一杯飲みながら店員さんかお客さんに美味しいお店を聞くかーってことで、商工会館1Fっていう好立地にあった『角打ちカクサン』なるお店に。

詳しくない土地の飲み屋は下手にネットで探すより、適当なお店で聞くのが良いという持論です。RPG的な楽しさもあるし。

写真の通り明るいお店で雰囲気も良いです。せんべろセットなるものがあって、お酒2杯と肴2品で1000円というお得なセット。とりあえずそれを頼んで、持ってきてくれた店員さんに近所の美味しいお店を聞いたところ、近所の『くろ兵衛』なるお店がオススメとのこと。

人気店だから電話してから行った方がいいですよ、との事だったので電話したら「今なら空いてます!今日は予約出来ないので来るなら今すぐ来てください!!」との事。こういうノリ嫌いじゃない。てか下手に空いてる店よりはお客さんでいっぱいのお店の方が信用出来るよね。

店員さんと会話が弾んでお店のステッカーを貰いました。ちなみに『カクサン』っていう店名の由来は、向かいに『資さん』っていううどん屋さんがあるからだとか。光圀ってお店は無いみたいでしたが、きっとお客さんが黄門様なんでしょう(どやぁ!)。

そして『くろ兵衛』へ。ちょうどいい具合に2人席が空いていて良かった。

鮮魚と日本酒がオススメとの事。食べかけの写真で申し訳ないです。

日本酒は濃厚さと甘口辛口の2要素の表の中に書かれていて、ぱっと見でどんな感じのお酒か分かりやすかったのが良かった。で、鮮魚が美味しい!オススメだけの事はありました。お刺身を藁で炙って香りをつけてたり、岩塩にこだわってたり。日本酒の肴に最高でした。

めんたい出汁巻き。私、出汁巻きが大好きでどこのお店でも注文しちゃいます。出汁巻き自体が好きだし、お店によって違う味付けになっているのが面白いので。で、ここのは明太子が1本入っていたんですが、塩辛くなく、明太子に巻かれている海苔の風味も相まって美味しかった。

日本酒を飲んでいると店員さんが「お客さん、日本酒お好きなんですか?実は店長が日本酒好きで、日本酒が好きなお客さんにだけお店する"裏メニュー"があるんですけど、どうしましょうか?」みたいな事を聞かれて、そんな事聞いたら頼むしかないじゃない!!ってことで裏メニューを見せて貰いました。

黒い表紙のメニューブックには筆で書かれた全国の銘酒が!これはテンション上がる。んで、日本酒を飲んでいると栓の付いたボトルに入ったチェイサーを持ってきてくれました(写真左)。なんでもお酒によく合うお水なんだとか。飲ませて貰ったお酒自体も美味しかったんですが、こういう演出が上手いですね。流石、流行ってるお店って感じでした。

それにしても、美味しいお店で楽しい会話をしながら飲むお酒は本当に最高です。このお店、混雑時と言う事で2時間制だったのでお店を出た後少し時間が余ってしまいました。なので、さっきのカクサンにもう一度行って、教えて貰ったお店美味しかったよーと報告がてら、今度はせんべろメニューじゃないレギュラーメニューから佐藤の黒を飲んできました。佐藤の黒、好きなんですよ。

最後に〆ラーメンを食べて解散。

いやー、本当に楽しかった。相変わらずかなり慌ただしい感じでしたけど、密度の濃い時間を過ごせた気がします。義実さん、付き合って頂き本当にありがとうございました!

原画展で買った刺繍の缶バッチガチャの中身。刺繍ってのが分かってるわぁ、と。




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