Marumaru's TinyPlaza

(2017.07.27)(book)超高速!参勤交代 リターンズ

『超高速!参勤交代 リターンズ』/土橋章宏


前作が面白かったので、勢いで続編も読みました。

多分、こっちの方が映画の画面で映えると思う。

ただ、前作は「5日以内に江戸まで参勤する」テーマに絞って、そこに色恋沙汰や仲間との出会い別れを絡めていたのに対して、今作は湯長谷までの交代をメインには据えているものの、交代と並行して江戸での絡みや戦い、交渉等が入っていてちょっとテーマが散漫な感じ。

少数精鋭の遊撃隊的な参勤交代精鋭チームが、無理難題に挑む為に知恵を絞って挑む、少しでも身軽にする為に武器は持たない、という部分が面白かったのに(その代わり避けられない戦いは段蔵にまかす)、リターンズでは普通に武器を持って戦ってるんですよ。しかも、やたらと強すぎる。

結局、話を盛り上がる為とはいえ、主人部隊のチートぶりがちょっとやり過ぎかな、と。多分、その辺りも含めて映画として映像で観れば楽しめるんだと思う。

加えて、綿密な計画に基づいた1作目に比べ、参勤交代の計画が雑、と言うか行きあたりばったりだったように思いました。いくらなんでも丸二日不眠不休で走り続けるのは無理だし、そうなると馬なりの乗り物か、海路を使わないと間に合わないのは必然で、そうであるなら最初からそれを織り込んだ計画にして欲しかった。

と、愚痴を書いてしまいましたが、何だかんだでものすごく楽しんで読んでいました。何よりテーマが「参勤交代」なので、江戸までの参勤を終えた後に湯長谷までの交代を成し遂げないと、参勤交代を成功させたことにはならないので、このリターンズで初めて物語に区切りが付いたと思います。




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