Marumaru's TinyPlaza

(2009.07.22)(book)ワイルド・ソウル

『ワイルド・ソウル』/垣根 涼介

高度経済成長期に一攫千金の夢を胸にブラジルへ移民した人達が居た。たが、そこで待っていたのは当初の話と全く違う労働環境。日本へ帰る路銀も無く、人間らしさからはかけ離れた生活を強いられた人々が居た。そして時代は現代、彼らはブラジル移民政策の根源、外務省に対して復習をする……。そんなお話。

一気に読みきってしまいました。とにかく中だるみがなく、読み始めて50ページ目ぐらいから盛り上がってきて、そのテンションのまま最後まで読みきれてしまう作品。

少しショッキングな内容の導入、没落人生、復讐劇、恋愛、車、メカ、受け継がれる血脈、そして終幕。この言い方が正しいのかどうかは分かりませんが、娯楽小説として非常に完成されていると思います。

テーマ自体は割と重いのですが、登場人物がブラジル系の陽気なテンション(でも根はマジメ)なのであっけらかんと進んでいきます。登場人物達の思惑が淡々と絡み合っていく展開の興奮は一読の価値ありです。




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