Marumaru's TinyPlaza

(2013.02.06)Persona4 the ANIMATIONについて

友達に薦められて観てみたので感想を箇条書きっぽく。


金子氏デザインの洒落た服を着た普段は無口だけれど度胸は据わってるラノベのような登場人物に「最近の作品だなぁ」と言う印象を受けましたが、実際はとても青臭くて泥臭くで熱い青春劇でした。

誰しもが持っている自分の中の汚い部分。ドス黒い感情や劣情。そんな自分の理想や妄想が具現化したもの見せつけられて、「そんなのは自分じゃない」と否定する事で生まれる「シャドウ」と呼ばれる存在と戦う中で、自分の内面と向き合い、自分の中の普段隠している感情も含めて自分であり「あなた(願望の具現化した姿)は私、私はあなた」なんだと自己を見つめ直す展開は定番だけど、力を入れてちゃんと語られると熱くて良い演出。

自分の中にある妄想や願望、それを自分自身だと認められず否定してしまうと、自分の中の願望・欲望が具現化して「シャドウ」と言う敵になり、自分の内面と向き合い自分の願望も現実も清濁併せ呑んだ上で自分なんだと認める事で具現化するものが「ペルソナ」と言う観方。単語の意味で言うと"自分の外的側面"であり"仮面"だと言う設定が興味深かったです。

普段、自分の中に押しこんでいるものを認める事で、それが自分の仮面となり戦ってくれる。自分自身に気づく事で自らを護るものが出来る。そして、普段は霧がかかっていて見えない内面の願望は(色)眼鏡を通すことで初めて見える。言葉遊びかもしれませんが、よく考えられている設定だなと思いました。

あ、原作未プレイなので、設定に関しては違ってたらすみません。

それとゲームのような演出が特徴的でした。多分、原作で使われたんだと思うカットインや文字の演出、場面転換時のカレンダー等の演出。もとの演出が格好いいからなんだろうけど、ゲームを追体験出来るような演出でした。特に眼鏡をかけるカットインの連続はここぞという場面で入るとテンションが上がった。

キャラクターはベルベットルームのマーガレットさんがお気に入り。と言うか大好き。各話冒頭のベルベットルームの数分間が本当に楽しみでした。主要キャラクターとは違う一つ上の次元から世界を眺めているような役割…と言うか、物語の案内役のような立場のキャラクターにはそれだけで魅力を感じます。

EDクレジットでマーガレットさんの声優を見たら、大原さやかさんなんですね。「とらドラ!」の泰子さんや「夏雪ランデブー」の六花ちゃんをやってる人でした。「また主が居る時にいらしてください…それとも居ない方が良いのかしら?」「恋愛、ね。適度な摂取は貴方の心を満たす栄養となりえますが、過剰に摂ると…刺さるわよ?」とか、この辺りの台詞から感じられる大人の女性の魅力にゾクゾクします。

主要登場人物に関して言えば、キャラクター的に誰が好きと言うのは特に無いんだけど、一人一人のキャラクターが立っていて作中で魅力をちゃんと伝えられているから物語の登場人物としてみるなら全員大好き。と言うかみんなそれぞれに良い奴で青春してて輝いてる。

この「個人的に好きなキャラは居ないけど、登場人物としては全員好き」と言うのはテイルズ・オブ・ジ・アビスの時にも思った気がする。変にキャラクター単位で目立っているんじゃなくて、全員が物語の中で一生懸命で誰が欠けても話が成り立たないからそう感じるんだと思う。

キャラじゃないけど、堀江由衣の演技はやっぱり上手い。




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