Marumaru's TinyPlaza
(2025.02.07)(book)婚活マエストロ
『婚活マエストロ』/宮島 未奈
図書館の貸し出しランキング1位に名前があり、気になって司書さんに尋ねたところ「成瀬の作者の新刊ですよ」と言われて全てを納得した本。
さくっと読めて面白くて爽やかな読後感。読み終えた後に気分が良くなって、少し気持ちが前向きになった。これぞ万人向けの娯楽小説。1ページ目から面白くて、そのまま最後まで視線と意識が釘付けになる本はなかなかに稀有な存在です。
一人暮らしの四十路在宅ライターの主人公が婚活イベントの取材をする事になり、そこで知り合ったイベント会社の通称『婚活マエストロ』鏡原奈緒子との出会いを経てイベント会社の管理を手伝う事になるが……と言うお話。そんなに長くない話ですが、連載の関係か章立てになっており、さくさく読めます。
起承転結が本当に綺麗。そして、最近の話らしく時事ネタへの解像度が高い。量産されるネット記事の事、SNSの事、そして婚活パーティーの事。私自身が主人公と年齢や境遇が近い事もあり、非常に共感を覚えながら読めました。
もちろん、フィクションならではのご都合主義は多分にありますが、駆け抜けるような爽快感で全く気になりませんでした。流石ベストセラー作家の新作だと納得した一冊。出来る事なら、アフターストーリーが読みたいところ。
余談ですが、『匿名掲示板の地元婚活版に常駐している存在』が一番闇が深いと思ってしまいました。
(2025.02.25)(book)マリアを運べ
『マリアを運べ』/睦月 準也
アガサ・クリスティー賞を獲った作品。運び屋がとある薬を運ぶ、という単純明快な目的で突き進む作品。到着期限の時刻が結構先でえらく先の時間を指定するんだな?と思っていたら到着までの時間にパンパンに詰め込まれたイベントの数々。なんとなくトラック野郎を思い出しました。
行く先々で様々な勢力に狙われたり、行く先々に協力者が現れたりとご都合主義な感じはありますが、だからこそのエンタメ!という感じでした。未成年の運び屋少女が繰り出すハイスピードな展開は映画を観ているような感覚です。非常に映像化しやすそう、劇場版アニメと親和性高そう。
そして、タイトルの付け方が良い。途中でタイトルの意味に気づいてからタイトル回収までの流れが気持ち良かった。そこに絡めて久々に伏線に読みながら気づいた作品。普段は物語に没頭しちゃうから伏線に最後まで気づかない事が多いんです。
後半がちょっと蛇足気味な感じはしましたが、シンプルなストーリーと少ない登場人物で駆け抜ける展開は読後感が良かった。軸がぶれていないのでどんな要素がついても枝葉として上手く機能していたように思います。
余談ですが、公募新人賞の受賞作と言う事もあり各選者のコメントが載っていましたが、選者が選考の為に読む場合の観点が興味深かったです。
