Marumaru's TinyPlaza
(2024.06.04)(book)言いかえ図鑑
『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための 言いかえ図鑑』/大野萌子
図書館の返却棚にあったので借りてみました。
普段何気なく使っている言い換え言葉ですが、本として体系的にまとめられていると改めて意識するものです。ネガティブな発言を控えてポジティブに受け取れる発言にしたり、昔はOKだった過剰な遜りの言い換えや、今の時代だとハラスメントになる言い回しなど読んでいて納得しきり。
書かれている言葉を覚えるというよりは、口に出す言葉なので受け取る相手の気持ちを考えましょう。時代と一緒に常識や言葉も移ろっていく、今の感覚に即した言葉を使いましょう。と言った考えを持っていれば自ずから発する言葉に表れるものです。
そんな中、この本を読んでいてとても興味深い事が書いてあったので忘備録代わりに書いておきます(これが書きたくてこのエントリーを書いた)。
仕事を辞めたいと言う人にも、「辞めたいと思うほどの原因があるんですね」と受け止める。まだ辞めない方がいいと思っていても、「どんな問題が解決できれば、辞めずに済むと思いますか?」と問いかけ、「主体は相手」を意識して、その軸がぶれないように話す。
知っている人からすれば当然の事かもしれませんが、改めて言葉にされると目から鱗でした。解決を求めている訳ではなく、ただただ気持ちに寄り添って話を聞いてもらいたい時もある。そんな時、差し出がましく自分を出さずに、「主体は相手」という軸を持つ事で相手に寄り添って聞けるようになるかもしれない。そんな事を考えた本でした。
(2024.06.04)プリンセスメーカー2 リジェネレーションにおける規制について
Twitter(現:X)でつぶやいた事のほぼコピペですが、どうしても残しておきたいので。
- 「プリンセスメーカー2 リジェネレーション」PS4/PS5版は“規制版”に変更 - GAME Watch
数日前にネット界隈を騒がせたニュースを適当に抜粋。要は今度発売されるプリンセスメーカー2(以下、プリメ2)のPS系機種においては、一部仕様が削られた「規制版」が発売されるとの事。
規制の内容は、記事を読む限り以下のような感じです。
-
ED削除
- 父との結婚
- 執事との結婚
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内容変更
- 娘のバストサイズを大きくするアイテム(豊乳丸)の削除
- CGの一部が露出度を下げたものに変更
一応先に書いておくと、プリメ2の設定は下記の通りなので、ここで言う父とは実父ではなく育ての父です。
主人公は、堕落しきった地上の王国を殲滅せんとする魔王を単身で討ち果たした旅の剣士。王の懇願でそのまま国に留まった彼は、ある夜に天の守護星から無垢な1人の少女を授かります。
- めざせ王女様!『プリンセスメーカー2』の娘と過ごす終わりなき日々 | インサイド
もうね、馬鹿かと、アホかと。
結論ココカラ----------------------------
別に育ての父親と結婚したり、胸が大きくなりやすい薬自体をどうこう言っているのではなく、子供から大人へと移り変わる8年間の過ごし方で未来はどのようにも変わっていく、という多様性を表現したゲームでこのような規制を入れる事は、大人として子供の未来の可能性を制限する事に他らないと思うのです。
結論ココマデ----------------------------
プリメ2は、赤井先生の美麗なCGの功績と、夜の職業系エンドが比較的扇情的だったり、武を極める過程がRPGとして普通に面白いからそれが話題になる事が多いタイトルではあります。
しかし、このゲームの本質は、神様から授かった子の思春期を共に過ごす事で、娘をアカデミックな方向にも、家庭的な方向にも芸術家にも、ファンタジーの世界観を活かし感受性豊かな子としてドラゴンと心を通わせたり、魔族に墜ちたり、etc……。娘の能力と行動によってどんな事でも出来る、どんな未来も手繰り寄せる事が出来るという事を体現した素晴らしいゲームなんです。
それを後の表現の都合で規制を入れる……出来る事を制限してしまうと、昔は出来たかもしれない事、選べたかもしれない未来は、今は世界のルールが変わってしまって出来ない、という事実をプレイヤーは娘を通じて突き付けられてしまいます。それってとても悲しくてつまらない事です。
特にED削除に関しては、EDで読まれる娘からの手紙と言うある意味このゲーム最高の盛り上がりの部分について、本来は選べたであろう娘の意志と未来について丸ごと消えてしまいます。父との結婚なんて、考えようによってはこのゲームのトゥルーエンドの一つと言えるものなのに。
そうですね、プリンセスメーカーなのだから、プリンセスを目指す事が最良のEDと言う趣旨のゲームなのですよね、きっと。それが娘にとっても幸せに満ちた未来なのでしょう。
ゲームに限らず、小説にしても漫画にしても、作者が明確な意思を持って作品として完成させ、世に出ているものを、後の基準に応じて改変するのは創作に対する冒涜だと思います。
移植(リメイク)によって過去の名作が現代の環境で気軽に遊べるようになるのは本当に喜ばしい事ではあります。が、移植によって作品の内容が損なわれるような事は出来る限り起こらないで欲しい。特に今回では、Switch/Sterm版では元のまま発売出来るのに、PS系プラットフォームで出す販売の都合で作品を一部改竄しています。
商売なのでそれが間違っているとは思いません。ですが、プリメ2の1ファンとして作品との向き合い方について自分の意見を言わずにはおれないのです。
ここまで書いておいてなんですが、完全に昔の記憶だけで書いているおっさんの戯言です。
(2024.06.06)(movie)マッドマックス:フュリオサ
『マッドマックス:フュリオサ』
前作が良い意味で狂ってて面白かったので今作も観てきました。
ネタバレにならない範囲で感想を書くと、上映時間2時間28分はちょっと長かったかな……。でも面白かった!
- 前作に繋がる前日譚ストーリー。前作でフュリオサが向かった故郷、荒廃した毒の大地と化してしまっていた場所の過去の姿、そして故郷に残っていた人達の過去の姿が描かれていたのは本当に良かった。これを描く為の物語だものね。
- フュリオサが義手になったタイミング、どのタイミングでどのシチュエーション・理由でフュリオサの左腕が失われてしまったのかが気になるところだったけれど、なるほどなぁ、と。
- フュリオサの故郷の人達、騎馬民族なのに普通にバイクのメンテが出来て驚いた。
- てか、あの世界のバイクってすごくメンテナンス性が良いよね。燃料タンクを簡単に取り外し出来たり、タイヤをロードバイク並みの手軽さで替えられたり。そうしないとやってられないんだろうけど、ワンオフに拘るネオジオンに教えてあげたい。
- そもそも車のハンドルが鍵代わりみたいな世界だからね。
- 内容はシンプルな復讐劇のはずが、ちょっと内容が取っ散らかってた?ちょっと陣営が分かりにくいところがあった。途中が少し間延びしてたのでもう少し尺が短くても良かったのかも。
- 章題を入れて区切ってはあるものの、そこまでして長くしなくてもシームレスな展開でサクッとしても良かったのかも。
- デスロードのイモータン・ジョーに比べてディメンタスがちょっとしょぼい感じ?小悪党だよね。
- ウォーボーイズの銀スプレーがあって嬉しい。
- 後ろに扇風機が付いてる車なんだろう?って思ってたけど、まさか空を飛ぶとは思わなかった、最高に狂ってる。
- そしてバイク2台で引っ張るハングライダーみたいなのも。よくこれを撮ったなぁ。
- ディメントスのバイクを使った馬車が最高に馬鹿だった。
- 結局、フュリオサがメカニックで入ってた戦闘が一番の見どころだったと思う。撤退戦程面白い。
- 後ろに一発だけついてる武器、モンハンの撃竜槍を思い出した。
- あのタンク、ギミックが多すぎて最高。
- 食糧庫に居たウォーボーイズの子供って何だったんだろ?
- フュリオサの義手にエンジン駆動のチェーンソーが付いてるのが最高にマッド。
- どこまで行っても砂漠、誰も彼も救いの無い狂った世界、というのが強調されてて好き。
- 護衛隊長との狂った世界で生き延びる為の訓練風景を描写して欲しかったなぁ。
- 色々書いたけど、前作のインパクトが強すぎただけで、なかなかこんな狂った映画無いよなぁ、と。面白かった!
(2024.06.07)最近のデイキャンまとめ
デイキャンする時はTwitter(現:X)でつぶやいているんですが、写真だけこちらにまとめておきます。
- (2024.06.04)(book)言いかえ図鑑
- (2024.06.04)プリンセスメーカー2 リジェネレーションにおける規制について
- (2024.06.06)(movie)マッドマックス:フュリオサ
- (2024.06.07)最近のデイキャンまとめ
- (2024.06.09)(book)成瀬は天下を取りにいく
- (2024.06.10)(movie)Fall
- (2024.06.23)(book)成瀬は信じた道をいく
20240502 二次燃焼ウッドストーブ導入
気になっていた二次燃焼ウッドストーブがメルカリで安く売っていたので。
小サイズを買ったのですが、薪を入れる部分が思ったより小さくてバトニングした薪を切ったり折ったりして短くしないと入りませんでした。ストーブとして使うには薪がはみ出ていてもいいんですがゴトクを使って上に物を乗せるにはきつかったです。
ただ、流石二次燃焼しているだけあって小さくても火力は安定していて、上に鍋を乗せての調理には重宝しそうな感じでした。そして燃料が綺麗に燃え尽きるので、片付けが灰の処理だけで非常に楽でした。
収納がコンパクトなのもあり、現地で小枝等を拾って使うと便利そう。燃料を持って行くなら松ぼっくりか、後でネットにて知った猫用の木製ペレットが安価で良さそう。
ちなみに鍋の中身は辛ラーメンにミックス野菜+ウィンナー。煮込む時は辛ラーメンがいいですね。
20240606 トライポットで参鶏湯的な何か
Youtubeで簡単に出来る参鶏湯、みたいな動画を見たので。鶏むね肉をそのまま鍋に入れて、長ネギ、お米、水、生姜と一緒に煮込むだけ。最初は強火で、沸いたら弱火で40分~1時間。最後に塩、ラー油、ごま油、ニンニク辺りで味を調えて食べます。
煮込むだけっていうレシピが非常にキャンプ向きでした。優しい味で鶏肉も柔らかくて良かった。本当はもっと薬膳っぽい感じにするんだと思いますが、これでも十分。ただ、お米をちょっと入れすぎちゃってかなりご飯感が増してます。お米は膨らむから、かなり少なくても良いかも。
今回、気になっていたアルコールストーブを使ってみました。小さいタイプのアルストだと、コーヒー一杯分のお湯がちょうど沸かせられる感じ。沸騰が終わったら燃料切れ、みたいな感じで放置出来るのが良いですね。コンパクトで音も静かなのが良かったです。マグをそのまま火にかけるからケトルが要らないのも良い。ただ、日中だと炎が全く見えないので注意しないと危険ですね。理科の実験的な光景に魅力を感じました。
(2024.06.09)(book)成瀬は天下を取りにいく
『成瀬は天下を取りにいく』/宮島未奈
2024年本屋大賞を始め数々の受賞により15冠を達成した異例のデビュー作。みたいな触れ込みで紹介されていたので気になって借りてきました。が、その時点で図書館の予約20人越え。話題の本は知った瞬間にリクエストかけても結構な予約が入っていました。みんなチェックしてるんだね。しかし、田舎だから20人程度の予約で済んだのだ、と好意的に解釈する事にします。
そんな訳でやっと順番が回ってきたので読みました。ちょっと個性的な女子高生が活躍する短編集です。とにかく文体が読みやすい。最初の1ページでがっつりと引き付ける導入は流石の15冠作品。短編集です。
話の内容も面白かったんですが、主人公の性格が好き。とにかく何でもやってみて、ダメだと思ったらそこでまた考える。もしダメだったとしても「やった」という事実が残る。この考え方は本当に素敵だしその通りだと思います。
例えば、漫才コンビを組んでM-1に出ようとする。頑張って漫才のネタを考えて実践して改善していく。結果はM-1の予選落ちかもしれないけれど、「漫才コンビとしてM-1の予選に出た」と言う事実は残る。
例えば、「髪は1か月に1㎝伸びる」という通説を確認する為に丸坊主にして一か月ごとに長さを計る。結果的には途中で前髪が鬱陶しくなって切ってしまう。けれど、自分の一か月に伸びる髪の長さを知れたという事実は残る。
そうなんですよね。まずやってみようと思う事が大切で、細かい部分はやりながらトライ&エラーで直して行けばいいんです。直すべきところも実際にやってみないと見えてこない。やろうと思い立つ事、それを実際にやってみる事。そんな姿勢に羨ましさを感じながら、そんな成瀬が活躍する青春を読みながら追体験する事はとても気持ちよかった。
そして特徴的だったのが、2つ目の例を実験を途中で止めると決めた時、周りの友達が「なんで止めたの?成瀬はやり切ると信じていたのに」と言葉をかけるんですが、この言葉って優しいように聞こえて本当に自分勝手な無責任なんですよね。実際でもこういう事ってよくあります。やってない人ほど安全な場所から身勝手に無責任にあれやこれや言うものです。
(2024.06.10)(movie)Fall
『Fall』
劇場予告をみて気になっていた映画。PrimeVideoに入ったので観ました。
ロッククライマーのヒロインが、クライミング中に滑落死した恋人の悲しみを乗り越える為にクライミング仲間の友人と一緒に地上600Mのテレビ塔に登ろうとするが……と言う映画。
所謂、極限脱出ものになるのかな?非現実的な状況の中でギリギリ現実的と思える落としどころと言える展開、そして一発ネタの話なのにストーリーを綺麗にまとめていたのが良かった。
こういう系の映画によくある理不尽な終わり方や投げっぱなしの終わり方で無かったので、視聴後の感覚が非常に良かったです。
ただ、怖い。地上600Mで展開される話なので、観ていてヒュンとなる怖さや、思わず「怖い怖い!」と口走ってしまうようなシーンが続きました。内容的にそれが一番の魅力なのだと思います。ですので、高いところが苦手な方は観ない方がいいかも。
吹替で観たのですが、友人であるハンターを演じる人が上手いなと思っていたら、推しの子の有馬かな役の潘めぐみさんでした。(ララァ役の潘恵子さんの娘と言った方が通りがいいかも)
とりあえず、メインとなるテレビ塔に「無断で」登る理由が、死んだ恋人の悲しみを乗り越える為。そして配信がバズる為、っていう理由にツッコミを入れざるを得ませんでした。おいおい!と思いながら見ていましたが、全体からすれば塔を登る動機は些末な事だと気づきます。
ハンターがリュックを取りに行った時に実は死んでいて、ベッキーはハンターの幻覚を見ていたという展開は衝撃的でしたが、途中様々な伏線が張られていて、それが違和感として頭に残っていたので見せ方が上手いと思いました。そもそもベッキーは恋人との死別によって情緒不安定という前提もありましたし。
問題のリュックを取りに行くシーンは手に汗握る印象的なシーンですが、ロープに下げたリュックに飛び移ったり、それを持ち上げたりしている部分は、「流石にやりすぎやろー」みたいに少し引いて眺めていたのですが、その違和感が逆に妄想故のものだと知った時は気持ち良い驚きでした。
更に、ベッキーが電球のソケットで充電をするシーン、アンテナに登るベッキーを励ます為にハンターが足場の上で踊りますが、そのシーンも狭い足場の上であんな踊りをするのは流石に無いわーと思っていたのが、ベッキーの妄想だとしたら納得。
2回目の夜、ハンターがハゲワシに食べられている悪夢で目が覚めて、周りを見回すがハンターは見当たらない。その辺りで得も言われぬ違和感が頭をよぎりますが、そこからの怒涛の展開は見事。よくよく考えれば、ハゲワシが塔の近くを旋回していたという事は、既にハンターは死んでいるという事を示唆していたのでしょうね。
それと、リュックを引き上げて水を飲むベッキー、その後でハンターに水を渡そうとするもハンターは断わります。その場に居ない妄想なのだから。
この辺りの極限状態のベッキーが死んでしまったハンターの幻想を見ている表現がとても上手いと思ったので、後でこの辺りを意識しながら少し見てみようと思います。多分、分かった上で見直すと表現の妙に唸れるはず。
ラストに向けての展開ですが、観ている時は彼女らは最終的に救出を待つことを諦めて自力で塔を降りると思ったんです。塔にしがみついてずり落ちる感じで。梯子がある部分まで降りれれば良い訳ですし。もしかしたら降りる過程で大怪我をするか、最悪死んでしまう。そんな終わり方かと思っていました。
ですが、安易に降りるという展開にせずに最後まで救助を呼ぶための努力をする。そして最後に父親を通じて命の大切さを知る、というまとめ方は本当に綺麗。
あと、ハンターとダンが実は恋仲だったというのは……うん、よくある展開ですがアクセントとしては良かったと思います。その設定があるからこその、塔のてっぺんで遺灰を撒くシーンとハンターが泣く事の意味が際立ちますものね。
うん、面白い映画でした。
余談ですが、ヒロイン二人が胸大きくて良かったです(小学生並みの感想)。
(2024.06.23)(book)成瀬は信じた道をいく
『成瀬は信じた道をいく』/宮島未奈
最近読んだ『成瀬は天下を取りに行く』の続編。相変わらず読みやすく面白い短編集でした。
このシリーズのどこに魅力を感じるかと言うと、成瀬あかりと言う人間が自分を楽しんで生きている事が周りの人物に影響を与えていき、関わった人達を始め周りの世界を結果的に変えていっているところ。
私の好きな言葉に「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」があるんですが、それを地で行っているなぁ、と。成瀬が他人を変えるのではなく、成瀬に影響を受けた他人が自分の意志で自分を変えようとしている。そんな様を物語を通じて眺めるのが楽しいです。
成瀬あかりと言うハイスペックな人間が、自分の信念に従って人生を楽しもうとすると、既存のものの見方が変わる……と言うか、当たり前だと思っていたルールや既成概念を良い意味で軽々と覆してくれます。例えば外国や外国人に触れた時に感じるような文化や考え方の違いのような。
今、普通のものとして当たり前のように受け入れている概念を、屁理屈ではなくて正論で力ずくで真正面からねじ伏せていく。そんな感覚を成瀬の周りの人達と一緒に追体験できるのが魅力だと思います。
それはそれとして、文章自体が読みやすくてキャッチーなのは相変わらず流石。