Marumaru's TinyPlaza

(2013.05.18)(book)カード・ウォッチャー

『カード・ウォッチャー』/石持 浅海


完全にお気に入りになっている石持さんの本。どの話も読みやすくて面白いからついつい選んでしまいます。

この話は、サービス残業中の怪我が原因で労働基準監督署の臨検が行われる事になったが、立会い検査の当日に社内の倉庫で死体を発見してしまう。社員達は立会い検査が終わるまで死体を「見なかった」事にしようとするが……。

相変わらず面白かった。強いて言うならネタは面白いのにトリックがちょっとだけ分かりにくかったかな。でもそれは瑣末な問題。

この人の話ってパズルのような構成なんですよね。最初に状況設定がなされて、その中で如何に論理的に話を進めていくか。会話の中の小さな違和感や綻びを見つけて隠された事実を見つけ出す構成は叙述トリックものと言っても良いのかもしれません。

乱暴に例えるなら物語を読む事で得られる感覚は、ゲームの逆転裁判を裁判シーンのような爽快感なんです。ムジュンを見つけて相手の意見を切り崩すって言うね。

どの作品も読後感が良いので気分転換に最適です。




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