Marumaru's TinyPlaza

(2023.06.13)(book)洞窟ばか

『洞窟ばか』/吉田 勝次


メディアで何度か見かけた事がある洞窟探検家の自伝+写真集。

洞窟探検を仕事とする為に洞窟の魅力を人に伝えるには、言葉も大切だけど万の言葉よりも一枚の写真の方が遥かに説得力がある、みたいな事が書かれていたんだけど、巻頭の写真を見て本当にそう思いました。灯りが無いと真っ暗な洞窟なんだと思うけれど、光があたると地面の下にこんなに素敵な空間が広がっているんだ、と。

本の内容は著者の吉田さんによる洞窟探検の魅力と、ご本人のとにかく前向きでアグレッシブな性格と行動力を使った自伝が語られていました。本の内容も面白いんですが、とにかくこの本の魅力は関東の洞窟の写真だと思います。この写真が洞窟の魅力を何よりも雄弁に語ってくれています。

本書の中でも書かれていましたが、「冒険」と「探検」は明確に異なっていて、冒険は、危険をおかすことや、危険を承知で行うこと、成功の確かでないことをあえてやってみること。探検は、未知の地域などに入り、探り調べることで。だから、著者の吉田さんは自分の事を洞窟探検家と自称していて、冒険家と呼ばれるのはあまり好ましく思っていないとか。言われてみてなるほどと思いました。

しかし、勢いとバイタリティがある人は行動すればするほど人脈や機会が広がって本人は最高だと思うんですが、周りの人は大変だなぁ、と。

余談ですが、小口絵として著者の写真が描かれていて最近の本としては珍しかったです。




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