Marumaru's TinyPlaza

(2023.06.22)(movie)ミッドサマー

『ミッドサマー』


名前だけ知っていてたまに話題に挙がっていたので、ネタバレを食らう前にPrimeVideoで観ました。

よく、大学生の集団やカップルとかが旅行で日本の山奥の村に迷い込んで、そこの奇祭や因習に巻き込まれる、みたいなお話はよくありますが、そういう話って陰鬱な雰囲気で夜に展開される暗い話が多いです。

が、これはヘルシンキの明るい太陽の下、白夜で夜も来ない中での狂気を描いています。白いワンピース風の衣装に身を纏い、夏の太陽の下で90年に一度のお祭りをしている、そこに旅行で訪れた大学生一行がその祭りと言う名の狂気に巻き込まれていく話。

閉鎖空間における信仰みたいなものに含まれる狂気を、明るい雰囲気・空間の中で行うというのがテーマだと思うんですが、明るい中だとエログロシーンがギャップのおかげで余計に引き立っている感じはしました。

そう、R15なのもあって結構エログロがありました。暗く陰鬱なシーンで行われるような事を白日の下で行われるとこんな感じになるのか、と。信仰と言う名の狂気や同調圧力が余すところなく描かれています。

繰り返しになりますが、青空と燦燦と輝く太陽、開放感のある広々とした草原。そんな極彩色の世界の中でいとも簡単に行われるえげつない行為。「花園メリーゴーランド」と言う漫画を思い出しました。日本の同じようなテーマの作品と比べて演出が本当に真逆なのが興味深かった。

家族を失った事でトラウマを抱えたヒロインが、新しく出会った狂気の価値観に染まってしまい、その中で恋人を捨てて新しい家族になる、という展開は冷静に考えるとかなり恐怖です。まさに宗教的な信仰に染まった感じがしました。信仰は心の支えだからそれが間違ってる訳ではないんですが……。




<(2023.06.13)(book)洞窟ばか (2023.07.04)(book)腹を空かせた勇者ども>