Marumaru's TinyPlaza
(2014.11.23)(book)マル合の下僕
『マル合の下僕』/高殿円
高殿円さんの新刊。大学内の出世レースから外れ、しかも小学生の甥っ子までかかえて赤貧にあえぐ大学の非常勤講師のお話。
この作者は、序盤で色んな事件を発生させて、それらを並列的に解決しながら伏線を回収して綺麗に風呂敷を畳むのが上手いです。最初に一見関係無く思える色んな事柄が群発するもんだから、グイグイと引き込まれてしまって、気付いたら一気に読み終えていました。
最後がちょっといい話になってるので読後感も爽やかです。
しかし、歴史モノからライトノベルから社会派から幅広く面白い話を書かれる人です。どれも、序盤に広げた複数の伏線を最後でちゃんと回収しているから気持ち良いんです。そして、どの作品も格好良く活躍する女性キャラクターが居る気がします。
全体的にキャラが出来過ぎの気もしますが、ある程度チート気味のキャラクターが活躍するぐらいが読んでいて気持ち良いですね。某SAOの主人公も、あれだけ俺TUEEEEEしているのに、読んでいる分には割と心地良かったりします。
最後に。男の友情とはちょっと違いますが、薬膳のキャラクターが憎めなくて好きでした。話自体は綺麗に終わっていますが、薬膳絡みのエピソードは含みを残して終わっています。外伝的なものでも出るのかしら?