Marumaru's TinyPlaza
(2022.06.03)(movie)機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』
封切り日のレイトショウで観てきました。劇場が濃かった。そして年齢層が本当に幅広い。有名アニメ映画封切り日特有の、地域の猛者が集まった感、とても好き。
ってことで、思った事を忘れないうちに箇条書き。多分、誤字脱字があります。
ちなみに、TV版ファーストガンダムは観てないですし、オリジンも観てない人の感想です。
- 面白かった。ガンダムを探すくだりはちょっと長かったけど、だれてき始めたところで展開があったので結局一度も時計を気にする事なく観終えました。
- というか、TV版はどうやってこの話を1話20分にまとめたんだろう、と。
- 陸戦中心の泥臭いMS戦が格好良かった。2Dと3Dの切り替わりが本当に分からなかった。
- ファーストガンダムって自分の中ではちょっとダサいイメージだったんだけど、かなりリアルロボット寄りの造形になっていて格好良かった。
- ドアンザク格好良い。なんかTV版は色々あったみたいだけど、TV版のイメージを残しながらシュッとした感じのスリムなデザインになってる。すごい。
- 諸事情があるにせよ、ドアンが一度も弾を使ってないのが渋い。おかげで殺陣が本当に格好良い。ヒートホークってあんなに素敵武器だったのかー。腰から取り外して発熱してって描写を見たのは初めてかも。
- ザク同士の戦いが良いよね。サザンクロスの高機動ザクとの戦いが本当に良かった。
- アムロ、ヒートロッドのザク相手にビームサーベル二刀流はやり過ぎな気が。マシンガンを潤沢に使ってるし。
- アムロって武器を捨てるタイミングの思い切りがいいよね。ビームライフルをすぐに捨てたり、半分になった盾を早々にパージしたり。この辺り逆シャアにも通じてるなぁ、と。
- しかし、最後に灯台の逆光を浴びたガンダムが主題歌と共に登場して高機動ザクと戦い始めて、そうそう!こういうので良いんだよ!と。
- その戦闘シーンでギターソロギュンギュンのBGMが流れて最高だった。
- EDロールの制作陣がすごい。スタジオぴえろやシャフト、タツノコとかそうそうたるスタジオ名が。一瞬何を見ているのか信じれなかった。安彦さん最後の作品って事で色々とあったんだろうなぁ、と。日本のアニメ史の集大成を見ているようなスタッフロール。
- だから、途中で劇画調のカットが入ってたり、ブランカがやたら動いてたり、子供のシーンが特徴的だったりしたのは、スタジオを超えてそれぞれの分野の最高峰のクリエーターが終結してたんじゃないかな、と勝手に思ってました。
- 森口博子さん、相変わらず良い声。年を重ねるごとに深みが増してる。ガンダムと言えばって感じの人になってます。
- そして例によって回想で登場する池田秀一さん。そりゃあ、宇宙世紀でアムロが出たらシャアを出さない訳には、ね。
- ガンキャノンの蓮のつぼみみたいなミサイルってあんな感じで発射するんだね。狙いを付けて射撃と言うよりは弾幕を張る感じっぽい。
- というか、最後のドアンが死ぬのかと思ってたから意外だった。
- こういう、貧しいながらも幸せな暮らしモノは良い感じになってきたところで今の暮らしが崩壊するイメージがあったから、最後まで幸せな感じで良かった。作る方も観る方も高年齢化して、こういう幸せに満ちた話の方がお互いに良いのかな、とか。
- 0080以上に戦争の都合によって振り回される子供たちを描いてるよね。途中でホワイトベースと島の子供が合流した時の「なんか人数が増えてる」っていうセリフが印象的。連邦でもジオンでもなく、子供たちって括りで見てる感じがして。
- やたらと連邦の腐敗とジオンの正義を強調してたけど、これってオリジンがこんな感じの作風なのかな。
- 完全に忘れてたけど、アムロって機械オタクだったんだよね。んで、崖をロープで降りてて、アムロって何だかんだですごいやつなんだと思った。流石エースパイロット。シャアとの戦いも最後はいつも肉弾戦だし。
- セイラさんがお嬢様口調で驚いた。というか、お嬢様口調を聞くと最近流行りの(2022.06.03現在)サロメ様が浮かんでしまう。
- ブライトさんってこの時点ではまだミライさんと結婚してないんだよね。なんか既に阿吽の呼吸を感じる。
とりあえずこんな感じ。後で追記するかも。
箇条書きだけ書いて寝てしまったので続き。
結局のところ、泥臭い地上戦を今の技術でヌルヌルと描いてくれてるのが最高に格好良い映画だった。宇宙でビーム兵器やファンネル使ったり、闇夜のゲリラ戦も格好良いけれど、ザクvsザクのヒートホークによる最高の一騎打ちを見せてくれてありがとう。
クレーターのような見晴らしのいい場所で一騎打ちを次々繰り広げて、最後にその場所から諸々の原因となっているミサイルが打ちあがり、その爆発風景を皆が見上げているという構成がとても綺麗だった。
そして、上でも書いたけれど、戦争の犠牲になってる子供達には連邦もジオンも関係ないんだよね。ホワイトベースの子供達と島の子友達が一緒になって走ってるシーンが本当に印象的。そんな戦争の中で成長していく子供たちを描きながら、必要以上の壊滅や(終盤に頑張って復興させた施設が壊されると思っていた)、死を乗り越えて(サザンクロス隊戦でドアンが亡くなると思っていた)、みたいな要素を入れずに、子供達は戦争下だけどそんなのは関係なしにずっと笑ってた、そんな映画だったからすごく良かった。
ガンダム、特に宇宙世紀は妙に神聖視されているような気がするんだけど、1stって色んな意味で大らかだったんだなぁって。
最後、アムロがドアンのザクを廃棄したけど、あの場所ってこれからどうなるんだろ。ジオン的に作戦は遂行出来たにしても派遣した兵が2名とサザンクロス隊全滅してるんだけど、全部連邦との戦いでの消耗ってことにして、あの島はもうスルーなのかな?確かにミサイルを打ち終わったあの島に拠点としての意味はあまりないような気はするけれど、それでもジオン支配下の島なんだから兵ぐらい派遣するだろうと。
ただ、そんな状況になったとしても、ザクというMSを使って武力で解決するのではなく、それ以外の方向でなんとかしようという事なんだろう。だから、ドアンはザクを廃棄したアムロに対して良い事をしたと言った訳で。
しかし、これを観た上で、元になったTV版15話がどんなのだったのかすごく気になる。
(2022.06.09)(movie)トップガン マーヴェリック
『トップガン マーヴェリック』
21:55から始まったレイトショウが終わったのは日付も変わった24:15。人気の少ない通路を通って屋上駐車場に向かい、外へ繋がる扉を開けると真っ暗な空に月が浮かんでいました。
涼しい風を受けながら、見慣れたはずの屋上駐車場の景色をとても特別なものに感じていました。空に繋がるこの真っ暗な空間に何か特別なものを感じ、帰路につく車に乗り込み、イグニッションに続いて点灯する計器類のランプに心が躍っていました。
興奮が冷めやらない。
言葉にすると一言ですが、こんな気持ちを味わったのは久方ぶりでした。TwitterのTLでやたらと流れてくるトップガンの話題、その語彙力を失った感想を眺めながら、「初代を観てないし」「戦闘機詳しくないし」と観ない理由を探していました。
が、知り合いと話をしているときにひょんなことから話題になり、まだ観てないんですよー。んじゃ、観に行こう。みたいなノリで観てきました。考えるな、行動しろ。誘って貰って本当にありがとうございました。
ストーリー自体はこれ以上ないぐらいシンプルなんです。シンプルさで右に出る映画は無いと思っていた『マッドマックス 怒りのデスロード』を越えちゃったかも。そんなシンプルな物語の中でまさに王道と言える熱い少年漫画的展開。
何度か書いてますが、王道って中途半端にやっちゃうと一気に安っぽくなっちゃうんですよね。安いペラペラなお肉を塩コショウだけで味付けしてもただのしょっぱい肉ですが、血の滴るような分厚く美味しいお肉をステーキにして塩コショウで味付けした時の味わいと言ったらもう。
とにかく熱いんです。暗喩じゃなしに手に汗握ってスクリーンを観ていました。スクリーンに向かって笑い、ワクワクしていました。IMAXで観たんですが、座席が振動するような大音量。だけど、その爆音がとても心地良いんです。完全に映画の世界に入っていました。この作品は音響の良い映画館で観る体験が出来て嬉しかった。
って言うか、2時間でこれだけのコテコテな展開を詰め込んで、普段だったら胸ヤケしそうなんですが、全部丸っと消化出来て、心の底から「美味しかった!幸せ。」って感じました。
私はよく作品の感想を書く時に○〇とかが好きな人は楽しめるはず。って言い方をしますが、今回はしません。なぜならどの作品を引き合いに出そうとも、このトップガンの方が王道的な意味で本流だと思ったから。なので、今後「トップガン マーヴェリックが好きなら、この作品も好きだと思う」って言い方はすると思います。