Marumaru's TinyPlaza
(2023.09.22)(movie)劇場版シティーハンター 天使の涙
『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』
友達の感想が読みたかったので、簡単に自分の感想を。
ちゃんとシティーハンターをしていて面白い佳作でした。
ただ、前作の『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』が、いつものラーメンを食べに行ったらトッピング全盛のチャーシュー麺が出てきたような完璧な総集編+αだったので、それに比べるとどうしても……と言うのが素直なところ。
最終章の第1作目だったのですが、その事を事前に知らなかったので、あれ?この映画で終わらないの??と肩透かしを食らう羽目に。
良し悪しが表裏一体になっているところが多いんですが、分かりやすく良かったところを挙げます。ヒロインのアンジーでCVをされていた沢城みゆきさんの熱演。王道の役柄とは言え、様々な感情が激しく入り混じる役をきっちりを演じられていたところは現役ベテラン筆頭の貫録を感じました。
声優で言うと冴羽獠の神谷明さんが変わっていない。2023年に変わらない獠を演じられる事が本当にすごい。その為の努力を考えるとプロって本当にすごいなって。
その分、仕方がないとは言え香の伊倉一恵さんがちょっと厳しかったかな……。いや、聞いていれば慣れますし本当に魅力的な演技ではあるんですが。
次に、OP曲がすごく良かった!TMNの曲は数曲しか知らないニワカですが、それでも聞いた時に「あれ?これって当時の曲だっけ?新曲…だよね?サイコーじゃん!」と思ってしまう格好良さ。これから始まる物語に胸躍るような曲でした。これぞシティーハンターの曲っていう求められているものスバリを提供出来るのがプロだなぁ、と。
更に、開幕早々のキャッツアイ。もうあれが見れただけで満足って人は多いんじゃないでしょうか。私もです。更にアクションシーンの動きが滑らか。タイマンの戦いシーンが多かったので肉弾戦を含め非常に見ごたえのあるアクションシーンでした。
それと、ルパンとの突然のコラボは驚きましたが、獠のミニクーパーとルパンのフィアットのちっこい車繋がりがすごく良かった。チョロQみたいなちっこい車でアクションやるのって本当に映えるんですよね、躍動感がありつつもコミカルな感じでします。ラストシーンのシリアスさにも花を添えてくれるアイテム。
で、ここからは少し残念だった部分。冒頭のキャッツアイの後の獠と海坊主のあの変装を筆頭に、香の100tハンマーをメッセージボードに使用したり、最後のゲットワイルドが流れるシーンと言い、何と言うか全体的に「雑」なんです。
テンポも悪さも相まって、TV放送の映画でワイプが入って「感動の〇〇シーンまであと5秒、泣く準備はOK?さあ泣いて!」みたいに視聴者のリアクションを押し付けられているような感じがしました。
香の100tハンマーもシーンも、ちょっとくどすぎたり、器物損壊を理由に100tハンマーで叩いて更に被害を拡大させるなど、ちょっと可哀そうな子を感じさせる振る舞いが残念でした。獠のもっこりも、今だとコンプラ等で直接的な表現が使えず色々やりにくさはあるのでしょうが、延々とセクハラを演じられているような感じがしてしまいました。
そしてシーン構成、と言うか場所の移動。なんだかえらく複雑なルートを通って移動していましたが、アクションシーンの見栄え等を考慮しても、どうしてわざわざそんなルートを、と思ってしまいました。一発勝負であんな綱渡りルートを通らなくても……。なんだか先に場所のモデル(?)なりを先に作ってから構成したようなそんな感じ。
あと、今回も海坊主が活躍しなかった……。
なんだろ、声優さんも絵もすごくいい感じなので、シナリオと構成ですごく面白くなりそうなだけに余計に残念さが残ります。