Marumaru's TinyPlaza

(2023.10.15)(book)盤上に君はもういない

『盤上に君はもういない』/綾崎隼


新聞の広告で見かけた本だった気がします。タイトルからして「そういう話」を期待する本です。実際に「そういう話」だった訳ですが、「そういう話」は嫌いではないので感動モノ+将棋と言った感じで楽しんで読めました。

しかし、勝負を題材にした物語にフックを付けるなら、普段滅多に起こらない事を取り上げるのが有効ですよね。例えば麻雀モノだったら嶺上開花や槍槓、責任払いや八連荘みたいな。将棋だと、千日手や持将棋。

この手のは『りゅうおうのおしごと』でも出てきていましたので、同じイベントでも物語によって描き方が違うものだと興味深かったです。

雑誌連載されていた作品のようで、章ごとに別人物の視点からの物語が展開され、全部読んだ時に内容が綺麗に理解出来る作りで、感動モノに抵抗が無ければお手軽に読めてオススメな小説です。見る将や女流棋士、三段リーグって言葉に何かしらのひっかかりを覚える人は是非。そして、最後が綺麗に終わっているので読後感爽やか。

それにしても、将棋と言う闘いの世界に身を置く人達の物語は読んでいて本当に面白い。で、どの人の作品を読んでも三段リーグは地獄なんだなって。

ただ、物語上仕方ないとは言え、最後の展開だけはちょっと。心臓病で死にかけなのに……。




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