Marumaru's TinyPlaza

(2023.08.20)(book)BLEACH

『BLEACH』(全74巻)


前から名前と有名であるのだろう台詞だけは散見していて気になっていた作品。この度、機会があったので一気読みしました。主人公達が黒装束着てたのって死神って設定だったからなのかー。卍解って「ばんかい」って読むんだ「まんじかい」だと思ってた。ってぐらいに事前知識無し。

ストーリー構成

人間に加え、死神、虚(ホロウ)そして滅却師(クインシー)の要素を併せ持つ一護が、現世、尸魂界(ソウル・ソサエティ)、虚圏(ウェコムンド)を股にかけ、それぞれの世界で関わった仲間、友を護っていくというストーリー構成が秀逸。

厨二病が堪らない

護廷十三隊、中央四十六室、詠唱付の破道・縛道とかは序の口で、零番隊、裏破道とか出てきてむせる。数字が大きくなった次は、零とか裏だよねぇ、と。名称も、古めかしい日本語はもとより、スペイン語、ドイツ語と出てきて、死神やら天使やら、おおよそ男の子が好きであろうものは大方網羅している感じが好き。非常にオサレでした。

ラストバトル

やっぱり未来が視(み)える、運命を司る系の敵は盛り上がりますね。順調にインフレを重ねてきた主人公達の志を別方向から折って絶望を与えてくれる。ただ、やりすぎるとどうしようもなくなるから、その辺りの加減と倒す方法・手順が作者の腕の見せ所な敵ですね。「唯一藍染の鏡花水月を受けていない一護」の伏線に加え、「唯一聖別の影響を受けていない石田」の伏線、入れ替わり時の仕様などを組み合わせて倒した構成は伏線回収と言う点で素晴らしく綺麗でした。

ところで

後半で無間に幽閉されている藍染を京楽が条件付きで連れ出すシーン、京楽は中央四十六室との交渉の末、無間の鍵を心臓に埋め込む条件で拘束の内3つの鍵の解放を許された訳だけど、護廷十三隊が壊滅しかけ、零番隊でも歯が立たない、何より霊王が危ないという状態において、中央四十六室がそこまでの権力を持っているのが不思議でした。

と言うか、無間幽閉に処された藍染の目的は「王鍵の創出」、そして王鍵で王族の住まう場所に行き零番隊を作る。即ち、尸魂界の王となりルールを創る事だと思うんですが、それに比べてユーハバッハに侵攻をゆるし、霊王を討伐されてしまうと、尸魂界だけでなく、虚圏も現世も崩壊してしまう訳で。そんな状態なのに藍染を開放する事を躊躇ってしまうあたり、中央四十六室が権力に捕らわれて物事の優先度を判っていない元老院、という感じで愚かさが出ていて良かった。

今の中央四十六室って藍染に皆殺しにされて一新されたメンバーなので、そういうところも含めて判断が鈍かったのかな、とか。

印象に残っているキャラクター

涅(くろつち)マユリ、四楓院夜一。マユリはマッドサイエンティストとして最高に格好いい描き方をされていました。マッドサイエンティストいいよねぇ。夜一はもう属性てんこ盛り、のじゃロリ、猫、褐色、エロスーツ……どんだけ盛っているの、最高。

有名な台詞について

「あまり強い言葉を遣うなよ…弱く見えるぞ」、「チャドの霊圧が…消えた…?」辺りはよく見かけていた台詞ではあったんですが、思ったより序盤に登場して驚きました。周りに聞いてみたら、序盤(尸魂界篇)はみんな着いて行っていたけど、途中から雰囲気で読むようになったからじゃない?と聞いて納得。確かに尸魂界篇は短くまとまってジャンプのマンガ!っていう展開でした。

あと、BLEACHだけではないんでしょうが、ネットスラング的に普通に使っていた「なん…だと…」ってBLEACHの一護のシーンが有名だったんですね。それ以外にも、やたらと「なん…だと…」が出てきて気持ちよかった。

最後に

全体で見れば回収されていない伏線も多いけど、長年ジャンプを引っ張ってきただけあるオサレで面白い話でした。設定がどんどん出てくる辺りも含めて厨二に染まった感じがたまらない。




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