Marumaru's TinyPlaza

(2012.08.19)(book)ビブリア古書堂の事件手帖(3巻まで)

『ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~』
『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~』/三上延


前回書いた『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』の続き。いやー、面白い。すっかりはまってしまって既刊分の3巻まで一気に読んじゃいました。

自分の知らない本の良さを教えてくれる逸話、本を巡って巻き起こるミステリー、そして徐々に近づいていく古書店のオーナー栞子さん主人公の距離。短編集の形式で1話1話しっかり完結させつつも、栞子さんの家族を取り巻く大きな流れが進んでいくので本を置く暇が無く一気に読めました。3巻の最後が謎が明かされつつも新しい謎が浮かび上がる絶妙な引きで続きが大変気になっています。早く続きが読みたい。

それにしても、ヒロインである栞子さんが魅力的過ぎて困る。抜群の洞察力を生かして探偵役として活躍する以外にも、主人公との言葉のやり取りが、含みを持たせつつ、誘導しつつ、たまにデレつつと本当に魅力的。

所謂、「姐さん女房」を感じさせる人物なので、「狼と香辛料」シリーズのロレンスとホロのやりとりが好きな人には堪らないのではないでしょうか?はい、私の大好物です。

こう書くと、キャラクターに嵌っているように思えるかもしれないし、それは否定しませんが、古書を巡る素敵で不思議な話が下地としてしっかりしているので、余計にキャラクターが映えているのかもしれません。各話で本にまつわる話の謎が解ける時のパズルのピースがはまるような心地よさと、それによって大きな物語が動いていく興奮。二重に話に引き込まれます。

各話で取り上げられている本も、古典文学からSF、漫画に絵本と幅広くて面白い。3巻のとある話で取り上げられていた宮沢賢治の「春と修羅」はたまたま私も持っていた本なんですが、作中で薀蓄を絡めて色々と語られていたので部分的にもう一度読み直したりしていました。こういう感覚って何だか不思議です。

余談ですが、ハードカバーの本を入れる紙のケースの事を函って呼ぶ事を初めて知りました。




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