Marumaru's TinyPlaza

(2011.05.27)(book)星守る犬

『星守る犬』『続・星守る犬』/村上たかし


STEINS;GATEのまゆりが「星屑との握手(スターダスト・シェイクハンド)」と称して星に手を伸ばしていた事を思い出しました。人は想いを馳せる時、遥か遠く瞬く星の瞬きに想いの成就を重ねるのかもしれません。


知人に「泣けるから読んでみて。敢えてストーリーは言わないから!」と勧められて読んだ漫画です。

実際、漫画喫茶で読んでいて2回泣きました。そりゃもう涙の粒がこぼれるぐらいに。本当に涙腺が弱くなってる。

この物語をこれから書くようにしか受け止められなかったのは、私の心が歪んでいるからなのかもしれません。読み終えた後にそう自分で感じてもう一度読み直そうとしましたが、読み返すのが辛くてやめました。

持病の為に離婚して放浪暮らしをする男性、虐待に合って逃げ出した子供、遠くに住むその子供の祖父、偏屈者で通っている老婆。そんな人々と犬達の物語を綴った短編集。社会的・身体的に弱者の彼ら彼女らが、どこまでも素直で従順な犬達とのふれあいを通じて「自分は必要とされている」と言う事に気付き生きていく活力を沸かせる。そして、それぞれの生き方は交差しながら繋がってゆく。と言ったあらすじ。


物語において「死」を扱うことはトランプのジョーカーみたいなものだと思うんです。問答無用で読み手を泣かせてしまう。読み手は物語に書かれている事を自分の体験・記憶と重ね合わせて合致する部分があれば共感をしますが、その意味において「死」は普遍的過ぎます。

明確な死でなくても、様々な意味での弱者がボロボロになりながら、それでも犬との絆を胸に頑張って生きていく姿を描いた物語の連続なので、確かに泣いてしまったけれど、それは感動ではなくて憐憫の気持ちからかもしれません。そう感じること自体が気持ち的に逃げているのかもしれません、が。

だけれども、各ストーリーで登場する人物や犬達。お互いに見ず知らずの関係の彼らの人生が少しずつ繋がって重なっていく展開は綺麗でした。一人一人で見ると、重なっている人生はほんの少しなんですが、全ての話を俯瞰している読者だけは、その繋がりの美しさに気付けるんです。こういう展開、本当に好きだなぁと自分で思う。

全体的に見れば心のふれあいを描いたハッピーエンドストーリーなんですが、最初の1話が重すぎて、その印象を引きずったまま読み進めてしまった感じがあります。

確かに面白い話なんですが、あまり大手を振って他人には勧めないかもしれない。特に犬を飼っている人には。



まむし こんばんわ。読んでくれたのねありがとう。
確かにちょっとずるい作品なのかもですね。涙腺的な意味では。僕も辛くて読み返せませんでした。
なんかバンプの「K」を聴いたときの気持ちと似てるのかしら。

僕も少し深く考えてみました。
そしたらこの話を作った人は泣ける話を書いたつもりなんてさらさらないんじゃないかって思いました。
ええ、まったく上手く説明はできないんですが。
「こいつらスゲェだろ。カッコいいだろ。羨ましいだろ。」
ってことが言いたかったのかなって思いました。

なんつー拙い文章!!別に酔っ払ってなんかないんだからね!


(2011/05/27 01:19:12)

まるまる
>まむしさん
書き込みありがとー。

作者は泣ける話を作ったんじゃないと言うのは本当にそう思う。最初の1話は綺麗にまとまっていて「こいつらカッコいい!!」って素直に思える内容だったよ。確かに「K」を聴いた後に覚えた感覚に似てる。

ただ、一話みたいな「いい年した大人と動物」「運命のいたずらでなってしまった境遇」と言う設定だと素直に感動できるんだけど、虐待を受けた子供や老人のような「自分の力ではどうしようもない境遇の弱者」を出されると、なんか読んでいて辛かった。

べっ、別にまた飲みに行きたいなんて思ってないんだからねっ!! (2011/05/27 19:24:15)


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