Marumaru's TinyPlaza

(2013.08.29)(movie)風立ちぬ

『風立ちぬ』


すごく面白かった。観終わった後とても心地良かった。

この映画には色々な浪漫が詰まっています。飛行機(機械)の浪漫、もの作りの浪漫、時代の浪漫、ヒロインに対する浪漫。語弊を恐れずに言うなら、「男の浪漫」がてんこ盛りでした。

主人公とヒロインの恋愛の形が素敵だな思う反面、これも男性にとっての浪漫(憧れ)だよなぁ、と。そして憧れを感じると同時に、ヒロインの強さ、意地、愛情の深さに魅力を感じました。

ヒロインに限らず登場人物が皆それぞれに格好良い。特に主人公の上司とその奥さん。「ラピュタ」のドーラや「もののけ姫」のエボシ御前に代表されるように、宮崎作品って姐御肌の女性を格好良く描いていますね。

それと、作中の喫煙シーンについて何かと話題になっていましたけど、時代背景以前に映画をちゃんと見ればタバコを吸うシーンが心情描写として言葉以上のものを描いている事が分かるはず。ヒロインとの最後のシーンだって、あれは二人の間に確かに存在する愛とヒロインの心の強さをこれ以上なく美しく描いている名シーンだと思います。

と言うか、他の方が作った映画の演出に口を出すなんて、どんな意図があろうが野暮以外の何者でもないと思うんですよね。

多くを語らない大人の恋愛、行間を想像する心地良さ、見終わって改めて思う「生きねば。」と言うキャッチコピーの意味。ジブリ映画の中で最も好きな映画の一つになりました。

ただ、間違っても子供向けではないと思うし、ファンタジーを期待して観ると予想を裏切られると思うし、賛否両論の映画だとは思う。

ですが、「紅の豚」「耳をすませば」辺りが好きな自分にとっては非常にジブリらしい作品だと感じました。宮崎駿監督の作品はこれで最後かもしれないと言う話もありましたが、宮崎駿監督が本当に好きなもの、描きたいものを作ったジブリらしい映画だと思いました。

最後に、結婚式の一連の流れが本当に良かった。もう一度観に行きたいです。



残響 わりと個人的なことを書かせてください。

自分はまだ見てません。
ていうか
1.堀辰雄の「風立ちぬ」が好きだったゆえのアンチ
2.流行りものには手を出さん的な

まあいつもの判官贔屓、マイナー主義みたいなくだらん思い込み……で、です。

ところが、つい先日、数年前のモデルグラフィックスを読んでたら、たまたま、この映画のもととなった漫画(もちろん宮崎駿の筆)がやってて、
当時はスルーしてたのですが、いま読んだら面白い面白い。

機体にかける浪漫、設計者の人間の苦悩、なにより「ヒコーキ」はそれ自体がロマンなのだという。

それって紅の豚じゃないすか。まるまるさんが記事のラストでおっしゃってるように。
……あたりが落ち着いたら、ひとりで見てみようかな、と、記事と件の漫画読んで思いました。
まえTwitterで、「感想が人によって違いすぎる」っておっしゃってましたけど、
ここにこういう考えをもってるやつがいる、的な書き込みでsた。長文すいません (2013/09/03 09:04:37)

Marumaru コメントありがとうございました。

この感想は1回観た後の勢いで書いたんですが、後になって他の人の感想を色々と読んでいるうちに
完全に自分の考えが変わってしまいました…。ちゃんと最初に感想を書いてから他の人の感想を
読んで良かった、としみじみ思いました。

ですが、人によって色々な感想を持つぐらいに、色々な観点から観れる映画だと思うので、
お時間があれば是非見てもらいたいです。出来れば他の人の考えをあまり読んでいない状態で。 (2013/09/05 17:37:43)


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