Marumaru's TinyPlaza
(2013.12.31)(game)WHITE ALBUM2
大晦日に年越しの準備をしながら、今年やり残した事が無いかと考えていると、年末に狂ったようにはまったWHITE ALBUM2の事を書こう書こうと思ったまま書いて無かった事に気付いたので、今年中に書くべく紅白歌合戦を見ながら書いています。
そもそも
WHITE ALBUMは発売当時にプレイしていて、今でも大好きな作品でした。主人公にトップアイドルの彼女が居る状態で始まる展開が印象的で、大学やテレビ局、バイト先等で知り合うことになるヒロイン達との間で揺れ動く心情が本当に上手く描かれていました。
そんなソフトのナンバリングタイトルだったんですが、ゲームの方はプレイする機会を逃していたところにアニメ化が決まり、アニメにはまっていたところにTwitterで知り合った人から「WHITE ALBUMが好きならはまるはずなので是非PC版で」と勧められてプレイに至ります。
このゲーム、PC版では前編(introductory chapter)・後編(closing chapter)に分かれているんですが、DLでセット版が出ていたので私はそちらでプレイしました。セットになってレーティングに合わせてシナリオを一部変更したものが、PS3とPSvitaでも出ています。
で、どれくらいはまったかと言うと
10日間程、寝食仕事以外の可処分時間を全て費やすぐらいに「のめりこんで」しまいました。仕事が終わって夕飯を食べてお風呂に入ったら部屋に籠って21時前ぐらいからWHITE ALBUM2を始めて、時計を見る度に1時間ぐらい針が進んでいて26時ぐらいになったら、まだまだ続きをやりたいけど時間切れだから寝る!そんな生活を10日ぐらい続けていました。
ちょっと身辺がゴタついていた時期だったので現実逃避の気持ちもあったのかもしれませんが、それを差し引いても齢30歳を超えてこんなにゲームに熱中するなんて思ってなかった。それぐらい気持ちよくのめりこんでいました。展開がずっと盛り上がっていて続きが本当に気になるんですよ。プレイした人向けに言うと、シュタゲの紅莉栖ENDからの盛り上がりがずっと続いている感じでした。
人間、プライベートな時間を全て虚構の世界への誘いに費やすと、こんなにも現実と虚構が混ざり合うんだって実感するぐらいの危ないはまりかたでした。現実の世界にヒロインのかずさが、雪菜が普通に存在しているような感じがしていました。
WHITE ALBUM2の魅力
WHITE ALBUM2のすごいところは、シナリオに所謂、飛び道具的な要素を使っていないんですよ。例えば、人の死であったり、奇蹟が起こったり、タイムリープや異世界からの使者、仮想世界やリフレクターデバイス、etc……。そんなぱっと見で興味を惹かれるような要素を一切使わずに、人間関係と心情描写だけでプレイ時間40時間超のストーリーを書ききっています。
ぶっちゃけると、このゲームのテーマは「浮気」なんです。こう書くと、誠○ね!ってフレーズが浮かびますがそれは置いておいて。浮気って普通に考えれば良くない事ですし、そんな事をする登場人物は叩かれても仕方が無いです。ですが、この話に悪い人は誰も居ないんです。登場人物全員が良い奴で人の気持ちが分かるからこそ、みんながそれぞれ自分の誠実を貫いて最善の道を選ぼうと努力して必死に藻掻いて行動した結果、事態が複雑に絡み合ってしまい、「浮気」や「修羅場」と言った状況が発生してしまいます。
そして、その過程は前述の通り、プレイ時間にして40時間超、物語中での何年間もの歳月と言う圧倒的なボリュームで描かれているので説得力があるんです。人の気持ちは時を経る事によって変わっていくものです。愛しい人との蜜月は時を重ねる事で信頼へと変わるかもしれません。様々な別れから生じる悲しみは時間が癒してくれるものなのかもしれません。忘れられない人への深い想いは時と共により深まっていくものなのかもしれません。
そんな長い年月をかけて移り変わっていく登場人物の心情を長いプレイ時間を通じて見せてくれます。しかもマルチエンドなので「もし、この時こうやっていれば……」というIFのストーリーを見せてくれるのはゲームならですね。よくある○○ルートって感じの終わりだけ変えた感じじゃなくて、共通部分はあるけれどそれぞれの展開の結末をこれまたしっかりと描いてくれているので、感覚的にはすごく面白い長編小説を5,6冊読んだような気分でした。