Marumaru's TinyPlaza
(2021.05.30)(book)追憶の夜想曲(ノクターン)
『追憶の夜想曲(ノクターン)』/中山七里
贖罪の奏鳴曲の続編。
やっぱり面白い。伏線の張り方が本当に綺麗。無駄な登場人物が一切居ない構成。唐突に始まった物語・事件・弁護の繋がりが分かった時はゾクっとした。巻を跨いで一つのテーマが根底にあるんだよね。一見理路整然と語られている事象の裏にドロドロとした思惑があるっていう生々しさが面白い。
しかし、これは絶対にひっくり返らないでしょう、っていう事件を最初に見せつけてから、証拠を集めて裁判をひっくり返していく感じはまさに逆転裁判。完全に完結してこれ以上何も言う事がないような事件のほんの僅かな違和感。そこから糸口を見つけて事件の裏にある真相を暴いて物語をひっくり返すっていうカタルシスが気持ちいい。
しかし、この終わり方だと、次の巻以降どうやって話を進めていくのだろう、と。