Marumaru's TinyPlaza
(2025.05.15)(book)オルクセン王国史1
『オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~1』/樽見京一郎
いやー、面白かった。
所謂なろう系異世界転生ものに分類されるであろうジャンルで、このジャンルは最初に触れた『異世界のんびり農家』があまり肌に合わなかったので少し避けていたところがありました。
何故ならば、起承転結やピンチをいかに切り抜けるかという部分が物語のキモだと思うのですが、これ系の作品は現実世界の知識を持ったまま異世界に行って、俗に言う「2週目」「強くてニューゲーム」状態で異世界で無双するんですよね。そんなイージーモードでやっているシムシティプレイ動画みたいな物語にどうも面白さを感じられずにいました。
が、この作品は違った。この作品が扱っているのは、軍隊、そしてその中でも兵站についてです。ファンタジー世界で様々な種族の混成部隊を編成するにあたり、鉄道をはじめとした鉄製品、そして魔法が存在する「銃と魔法」の世界での軍隊を中心とした国づくりについて淡々と描かれています。
それがめっぽう面白い。ただでさえ軍事系という馴染みのないジャンルの中で、異種族や魔法要素が入った状態での兵站を如何に構築するかという思考実験めいた物語は読んでいてワクワクしました。
軍事用語を中心に分からない言葉が多く、久々に紙とペンを脇に置いて、分からない単語を書き取りながら読むという事をしてました。もういい年だけど、知らない言葉って本当に多いものです。