Marumaru's TinyPlaza

(2014.07.17)げんしけん 二代目について

久々に漫画喫茶に言って来たので、前から気になっていた「げんしけん 二代目」を6巻(通しだと15巻)まで読んできました。この作品、1期を読んでいたところで止まっていたんです。

いやー、面白かった。もっと早く読むべきだった。でも、早くから読んでいたら毎回次が出るまでの間を悶々としていたんだろうな。それはそれで至福の時間ではありますが。

木尾士目さんは本当に「人間関係によって作り出される空気感」を描くのが上手い。1期ではげんしけんのサークルに漂う大学特有のモラトリアムを少し誇張気味に、でも「あー分かる分かる」と言った感じで描かれていて。1期メンバーの卒業までのサークル内の時間の流れを少ししんみりと描いていました。

オタクサークル特有の、コミケ参加や、コスプレ、アニメ、ゲームから始まって、サークル規模の現象である学園祭、進入部員の勧誘や自身の卒業。その一つとして恋愛模様も描かれていたましたが、1期ではあくまでも要素の一つと言った扱いだったように思います。肝心な部分は最後の最後まで(公式見解的には)答えを出さないままだったし。

だけど、2期はメンバーが代替わりして、女性メンバーが増えたからなのかもしれませんが、一気に恋愛要素が満載です。「オタクサークルあるある」と言う意味でのげんしけん色は薄れたような気がしますが、一つの集団の中で繰り広げられる想い想われの視線が織り成す何とも言えない空気感は木尾士目さんの本領発揮と言う気もしました。「四年生」や「五年生」で感じた印象に近いかもしれません。

なんか、心情描写がとても生々しいんですよ。変なオブラートに包まずに真っ直ぐに投げてる感じ。明るい絵柄と基本的に美男美女の特徴的なキャラクターでかなりオーバーにやっていて変に暗くなっていないのは流石です。それに、オーバーに気持ちの風呂敷を広げた分、綺麗に畳んでくれるんです。

私を含めて誰しもが多かれ少なかれ共感出来るであろう、集団における心情を分かりやすく誇張して表現してくれて、それをバッサリと綺麗な形で畳んでくれる。こう書くとよくある話っぽいですが、げんしけんはストーリーがある話じゃなくて、あくまでサークルの日常を描いた作品なんですね。

日常で起こりえる出来事を、生々しく誇張してしかも後腐れなく落としてくれると、読んでいる方は心をすごく揺さぶられてしまいます。

とりあえず、この6巻で大きな話が一区切りついて、今度からはまた違う話題で盛り上がりそうな感じです。少し間をおいて何巻か続きが出たらもう一度2期を最初から読み直したいって思いました。


2014.07.18 追記

げんしけんの人間関係が面白いのは、メンバーそれぞれの得意ジャンルが違う事に加えて、オタクサークルの中に咲や笹原妹のような一般人が入っていて、違う視点からの意見が入ってくるからなのかな、とか。それを上手に使っているっていうのも勿論あるけど。つまり、なんだ。色んな人との交流は人生の糧になるよってメッセージなのかな(笑)

2期を読んでいて何となく覚えた違和感の正体が分かった。2期って(6巻迄の時点で)笹原が殆ど活躍してないんだ。働き出したのもあるし、会長役を彼女の荻上がやっているから、正常に世代交代が進んでいる証拠でもあるんだけど、斑目があれだけ登場しているのを見ると、笹原にももっと活躍して欲しいと思ってしまう。




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