Marumaru's TinyPlaza

(2018.05.29)(book)ぼくは明日、昨日のきみとデートする

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』/七月隆文


なんか見た事のあるタイトルだと思ったら映画化されていたんですね(後で知った)。1つのテーマでさくっと1本の話を描いているので、確かに映像化しやすい物語かも。

図書館で返却棚を眺めていたら表紙が目に止まりました。最初、アジカンのCDジャケット等を描かれている中村佑介さんかと思ったら違いました。どちらが良いと言う訳ではなく、線画に淡く着色したような絵柄は非常に好みで、恋愛小説の表紙としてもキャッチーで良いと思いました。

最初、タイトルからして「恋空」とか、それ系のお涙ちょうだいの話かと思ったんですが、半分合ってて半分違いました。思ったよりSF要素がありました。

誰しもの共通認識として存在して物語のジョーカー的な存在である「死」程ではないですが、自分の力ではどうしようも無い要素によって離れ離れになってしまう恋人達というテーマは、よく言えば王道として感情を揺さぶる、悪く言えば安っぽいお涙頂戴です。

なので、先の展開を読んで設定にツッコミを入れたりせずに素直に感情移入しながら読むのが吉かと。なんだかんだ言いつつも、ヒロインが魅力的に描かれているので、物語に没頭して切なくなりながら読んでいました。このテーマって、題材を思いついたら設定云々を詰めるよりも、如何に登場人物の魅力で話を最後まで押し進めるかだと思いました。

余談ですが、舞台が京都で京都の地名が出てきます。京都は地名の他に通りの名前がそのまま場所を指し示すので、場所を移動している時の連続性を表現しやすいのかな、と思ったり。純粋にちょっと和風な小洒落た感も出ますし。




<(2018.05.24)(book)幾日 (2018.05.29)ギャン子を作った>