Marumaru's TinyPlaza

(poem)008_なごり雪

「なごり雪」

空を見上げては
踊る粉雪に純潔を重ね
地面を見つめては
踏み躙られた雪に憐憫を思う

景色を淡く彩る雪化粧
白粉を塗ったようなその白さ
いずれは踏まれいずれは溶ける
所詮は僅か時の儚い輝き

美しい今の姿を見ていたい
でも僕の手でその白さを汚したい
そんな利己に満ちた葛藤
結局雪を踏み荒し得る微かな満足
その後訪れる言い様の無い悲しみ

次の雪はいつ訪れるのだろう